平成5年度のロイヤルホストの夏のカレーフェアに関する達成学的見地からの諸考察。5種類のカレーに対するカレー度の分析と、全体的印象についてまとめる。なお、当稿は平成5年度日本達成学会関東大会において発表された内容を、論文として93年11月1日に発表された。 |
【1.達成(クリア)学概要】 | 【4.考察】 |
【2.ロイヤルホストの夏のカレーフェア】 | 【5.謝辞】 |
【3.実施結果について】 | 【6.参考文献】 |
辛 度 | シュペルハイマーの5項目では胡椒辛さと唐辛子の辛さの2つに分けてあるが、辛さの違いはむしろ香辛料の深みとして考えたほうがよいと考えたため、今回は辛さの種類こついてまでは考慮しなかった。 |
---|---|
粘 度 | 日本のカレーはとろみのあるものが多いが、ネイティブなカレーは粘性が低い。この項目は日本化傾向の一つの指標といえるだろう。 |
香 度 | スパイスのききかたについてのランクである。強いほど漢方薬臭くなるので好き嫌いが分かれるところでもある。 |
酷 度 | 味の深さのランクである。香度と関連してくる部分もあるとは思うが、あえて分けてみた。 |
具 度 | シュペルハイマーの5項目には入っていないが、これはシュペルハイマーの評価がビーフややチキンなどの具を念頭に置いてあるためである。そこで今回はの項目も評価の対象としたい。なお、ここでの評価基準は具の量ではなく、主に種類を対象にした。 |
彩 度 | この項目もシュペルハイマーの5項目には入っていない。カレーの見た目のイメージを分析した。具の色どりも関係してくると思うが、それは具度にまかせ、こちらは主にルーの色合いを見た。 |
|
パキスタンチキンカレー (6月29日) ルーの色は焦黒茶。具は骨付きトリモモ。スパイスの効き方は5種類のなかで1番である。ただそのせいか舌触りはザラついた感じである。トリモモもよく煮込んであるのか肉が骨からすぐはずれるので見た目より食べやすい。 |
カシミールビーフカレー (7月1日) ルーの色は濃赤茶。具はポテト、ナス、ニンジン、青唐辛子、牛肉。ルーがまるで水のようにさらさらしているためライスバランスがとりづらい。メニューに辛口書いてあるとおり辛いのだが、ぴりぴりくる唐辛子の辛さだけで味が単調であるため、満足度に欠ける。チャツネが一番あう味。 |
タヒチアンビーフカレー (7月3日) ルーの色は黄色。具は牛肉。適度に甘くて辛い。名前から推定するとココナッツミルクで味を調整しているのかもしれない。色、酷、香、とろみなどバランスがよく日本人好みの味である。ただ逆に言えばクセがないのでツウには少々物足りないかもしれない。 |
英国風野菜カレー (7月7日) ルーの色は黄色。具はポテト、ニンジン、インゲン、マッシュルーム、プチオニオン。味はタヒチアンビーフにとても近い。日本人にとっては馴染み深い食べやすい味である。具が野菜だけなのでその分タヒチアンより酷がないようだが、その分色合いで食欲をそそる。 |
マドラスシュリンプカレー (7月8日) ルーの色は明赤色。具はエビむき身。これもバランス勝負の味である。タヒチアンや英国風より若干辛めにふってある。数値的に見るとごく平均的になつてしまったが、没個性的というわけではない。エビの味がカレーに負けることなく楽しめた。 |
|
Table.3 最終データ