( 2002/04/07 → 2003/07/14 )
総括: 新潮文庫マラソンを行うにあたり自己でかけた以下の4つのシバリだが、
ともあれ、いままで読む機会のあまりないジャンルも経験でき、総体的には満足のいく挑戦であったといえる。 |
◆ | JAPAN | FOREIGN | ||
あ | 情報、官邸に達せず | 前半は政府の無能ぶりに、後半は日本のエスピオナージュに興奮。のヘンな味わいだった。 | 小悪魔アザゼル18の物語 | アシモフ節。誰でも書けそで書けない軽いホラ話。設定上、妙に理系な悪魔がヘンでよい。 |
麻生 幾 | アイザック・アシモフ | |||
泡亭の一夜 | 噺として聴くと印象が変わるのかも知れないが、読み物としては、展開が甘くオチが唐突なものばかりで少々不満が残る。 | |||
泡坂 妻夫 | ||||
インディビジュアル・プロジェクション | エスピオナージの顔をしたアッパー系グルグル妄想小説。思いも寄らぬ展開にはまった。いいジャン。あと表紙にグッと。 | |||
阿部 和重 | ||||
い | バビロンに行きて歌え | 前半の出会いと別れの話でずっと行くのかと思ったら違った。けっこうオレツボ。泣けた。 | 人形の家 | 嫁も旦那も精神的にお子ちゃまにしか思えない。時代が違うと云えばそれだけなんだけど。 |
池澤 夏樹 | イプセン | |||
「算数」を探しに行こう! | 子供向けとはいえ、ファンタジーとしても充分面白い。特に1話目は膨らませばかなり読み応えのあるものになりそう。 | |||
石原 清貴 | ||||
剣客商売1〜16 | これを読まずして何を!?ただ朴念仁カップルやエロ爺ぶりが明朗闊達な前半に比べ死影がちらつく後半は少々痛々しい。 | |||
池波 正太郎 | ||||
海ちゃん | 猫好きにはたまらんでしょう!そして写真好きにとっても!しかし随分モデルに無茶させてる写真もあるような。 | |||
岩合 光昭 | ||||
う | 百鬼園随筆 | どこが軽妙洒脱なのかわからなかった。ただの偏屈天の邪鬼な吝嗇家。の印象しかなし。愚痴っぽいし。せちがらいねぇ。 | ||
内田 百間 | ||||
え | ぼくの小鳥ちゃん | 絶対に結ばれないからこそのワガママと甘え。小鳥ちゃん、切なすぎ。 | フリント | 後半、弁護士が動き始めてようやく面白くなるものの、正直上巻は登場人物の行動目標が見えず辛い。若書きってことね。 |
江國 香織 | ポール・エディ | ウンベルト・エーコの文体練習 | 正直元ネタが分からないので面白さが分からない。読む側の知識を問われてるってこと?じゃあダメじゃん。 | |
ウンベルト・エーコ | ||||
お | らんぼう | パワフルでワイルドであるが故に泣きツボがある。つづきが読みたい。書いてくれ! | 幽霊たち | やもすればわけ判らん話に陥る危険性を孕みつつ難解と明解ぎりぎりのところでバランスをとる具象表現による抽象小説。 |
大沢 在昌 | ポール・オースター | |||
天使のみつけかた | 心の動き=天使。『天使』という言葉自体に癒し効果があるのも事実で、ちょっとだけ癒された。 | |||
おーなり 由子 | ||||
不安な童話 | ホラーでありファンタジーでありミステリー。超自然的な力を用いながら展開は理知的。“不安”感に着地させる見事さ。 | |||
恩田 陸 | ||||
超・居酒屋入門 | 細部では異論もあるが基本的にはその主張にたいへん同意する。酒はいいよねぇ。まあ飲過ぎてはいかんが(常に反省)。 | |||
太田 和彦 | ||||
オーケンの散歩マン旅マン | うわぁ、ネガティブ電波出まくってるなぁ。これはこれで面白いけどね。もう少しトロロンとしたのを期待してたんだが。 | |||
大槻 ケンヂ | ||||
か | 掌の小説 | 簡潔にして端麗な文章、上手い! 面白かったけど、ロリエロ妄想のつるべ打ちにちょっと辟易(苦笑) | 変身 | 別に虫になったわけではなくひきこもりの物語。それを主人公の視点で書いたと。興味深く読めた。ラストはつらいなぁ。 |
川端 康成 | カフカ | 回文堂 | 脱力系言葉遊びとそれに相応しい脱力系CGアート。好きだなぁ、心洗われるッス。ウゴルーを想い出したよ。 | |
かわいしのぶ | ||||
き | ターン | さすが面白い。が、内なる声の謎やくるりん脱出の理由など説明不足の面もあり、ちょっと甘さ残る感じ。 | 雪のひとひら | いい話ではあるが雪の擬人化にはやや無理を感じないでもなかった。が、解説を読んでそういう解釈もあるのかと目鱗。 |
北村 薫 | ポール・ギャリコ | |||
スキップ | 再読。挿話の妙に感動。ただ、前に読んだときはもっと心理描写が多かったような気がしたのだが。記憶って曖昧なもんだ。 | スノーグース | 奇跡とは偶然という名の必然であり無私の努力や善意に対する褒美なのだ。お涙頂戴ではないところが逆に泣けるっ! | |
北村 薫 | ポール・ギャリコ | |||
月の砂漠をさばさばと | 挿話ネタだけを一冊にまとめるとこうなるのね。軽めな仕上がりだが、やはり匠の技は隠せない。ほろりと癒し系。 | |||
北村 薫 | ||||
凶笑面 | 短編集ゆえ食い足りなさは残るもののサクッと読みきれるよさも感じた。民族学ネタで超自然的要素がないのが逆に新鮮。 | |||
北森 鴻 | ||||
く | 中学生日記 | あるあるネタの笑えるマンガではないのでなにげに読むとはずすかも。ボーズの内弁慶な自意識過剰ぶりに昔の自分をみた。 | アポロ13号 奇跡の生還 | 素材はいいんだけどルポの構成がイマイチ。盛り上げのツボが浅いんだよね。アンチクライマックス的。 |
Q.B.B. | ヘンリー・クーパーjr | |||
君ハ僕ノモノ | 安直で無理のあるストーリー展開。平凡なキャラクター造型。凡庸なミステリーで正直なところ退屈。 | メアリ・H・クラーク | ||
け | 白い犬とワルツを | 全編に漂う淡いユーモア感。淡々とした語り口に好感。犬を超自然的存在と描かないことでファンタジーになっている。 | テリー・ケイ | |
こ | カブキの日 | 再読。やはり面白く、一気読み。歌舞伎とカブキの本質をテーマに、幻惑的な世界観を構築している。凄いよね。 | 死んだふり | 最後の最後まで一向に話が展開しないとっ散らかった奇妙な話。小説としては失敗だけど妙な味はあるかな? |
小林 恭二 | ダン・ゴードン |
◆ | JAPAN | FOREIGN | ||
さ | 南十字星に進路をとって | 海洋冒険録ではなく南洋の島々での出会いが中心。文章の変なこだわりに違和感あり。この人達とクルーになりたくない。 | 夜間飛行 | 原文と訳文どちらのせいかわからないが堅苦く粘着質な読み難い文に正直閉口。ストーリー自体は面白いのに読み解けない。 |
崎山 克彦 | サン=テグジュペリ | |||
バーボン・ストリート | 書き流すだけのエッセイじゃない。硬質で冷静な中に燃える熱を感じる文章が実に俺好み。格好よすぎ! 悔しい! | |||
沢木 耕太郎 | ||||
しゃべれどもしゃべれども | 再読。必要以上にベタベタしないウェルメイドな人間模様にホロリ。やっぱいい話はいい。噺を聴きに行きたくなった。 | |||
佐藤 多佳子 | ||||
酒とサイコロの日々 | ダメ人間のダメ話に大笑い。ダメっぷりが清々しいぞ(嘘)。オレってマトモ。意外にも計算された文章に目鱗。 | |||
鷺沢 萌 | ||||
し | 名前がいっぱい | 理論的な屁理屈と言葉遊びが嘘学的で好き。ただ友人とのバカ話に近くて少々こそばゆい。 | 朗読者 | 前半の艶かしさと後半の頑なさ。痛々しいまでの自意識過剰な二人。やるせなさ。責任や判断について考えさせられた。 |
清水 義範 | ベルンハルト・シュリンク | |||
家鳴り | 現実と薄皮一枚ずれた恐怖、違和感。怖いだけじゃない読後感。短編集故物足りなさはあるが、篠田はやはりうまい。 | |||
篠田 節子 | ||||
す | ロックンロールミシン | よくも悪くも軽い。キャッチーなサクセスストーリーの必要はないが、もう少し書込みと掘下げが欲しい。基本的には好き。 | ジーキル博士とハイド氏 | 不可解な事件の提示と犯人の告白の2部構成という黎明期探偵小説の基本中の基本的展開。ホラー小説ではないね。 |
鈴木 清剛 | スティーブンソン | |||
兵士に聞け | とにかく面白い。交錯する個人の様々な思いと空転する組織の無能ぶりにはとにかく身につまされまくり。泣ける! | |||
杉山 隆男 | ||||
百物語 | 怖いではなく奇妙なという味わいが好ましい。あまりにもオチのない話ばかりだがそもそも怪異譚ってこんなもんだし。 | |||
杉浦 日向子 | ||||
無人島に生きる十六人 | 色々とひく部分もあれどそれは時代感覚故のこと。超ポジティブな漂流生活がなんともいえず楽しそう。心地よい読了感。 | |||
須川 邦彦 | ||||
せ | 花の脇役 | 前から観たかった歌舞伎にますます行きたくなる。観たことないと雰囲気がつかめない部分があって悔しいのだ。 | ||
関 容子 | ||||
女子中学生の小さな大発見 | 基本的にたわいない実験発見なのだが、時折光るいい意味で奇天烈な発想にグッとくる。まさに科学する心、だな! | |||
清 邦彦 | ||||
そ | ||||
た | 地獄の季節 「酒鬼薔薇聖斗」がいた場所 |
客観的な事実提示と心理分析的な内容ではなく、分析なき心象風景ルポ。題材の性格上曖昧にならざるを得ないのか。 | カレンダー・ガール | ゲイ・コミューンの描写も興味深かったが、なによりHB小説として充分成立している。しかし相当に官能小説だよな? |
高山 文彦 | ステラ・ダフィ | |||
ロビンソン・クルーソーを探して | 頭と身体の冒険譚が面白くグイグイ読み進む。調査探検好きな俺の冒険魂に火がついた。もう少し写真が多ければなぁ。 | あやつられた魂 | 前作に比べ良くも悪くも落ち着いた感じ。ヒッピーのカリスマってキャッチ−な主題を上手くまとめたなって感じ。 | |
高橋 大輔 | ステラ・ダフィ | |||
ち | ダーシェンカ | 確かにあんな写真見せられれば、猫派のオレでもクラッとくる気持ちわかるよ。仔犬ってズルイや! | カレル・チャペック | |
つ | パプリカ | もう少しきちりとした多元SFを想像していたが、残念。ヒロインがスーパーでもリアルでもないのに変な印象が残った。 | ||
筒井 康隆 | ||||
て | クリスマス・カロル | 当然だけど大時代的でストーリーテリングが甘いのは致し方のないところか? スクルージ改心するの早すぎ。 | ディケンズ | |
時のかなたの恋人 | 歴史モノなのに反発がなかったのは主人公が魅力的だから?コミカルでキュートな時間テーマのラブファンタジー。お勧め。 | ジュード・デブロー | ||
と | 闇の楽園 | 疾走感のあるサスペンス。変なユーモア感。デビュー作のせいかきれいにまとめるようとしているのが可笑しい。 | ||
戸梶 圭太 | ||||
溺れる魚 | これぞ戸梶!イカス!リアルピカレスクからアナーキーなギャグへの確信犯的変質が心地よすぎ。やり逃げのオチも好き。 | |||
戸梶 圭太 | ||||
わたしのラベンダー物語 | 農場一代記のような話になるかと思ったら紀行文的要素が強かった。写真がいいね。でも「花人」はやめれ。 | |||
富田 忠雄 |
◆ | JAPAN | FOREIGN | ||
な | 西の魔女が死んだ | ジブリな感じのハートウォームな物語。ファンタジーかどうか曖昧なところが逆にいい。不覚にもラストでマジ泣き。 | ||
梨木 香歩 | ||||
裏庭 | 本格的なローファンタジーでびっくり。親と子の確執がやや鼻白むがそれを強引に解決させないところは見事。 | |||
梨木 香歩 | ||||
からくりからくさ | 人形の秘密が横糸。4人の共同生活が縦糸。甘えない一歩退いた話づくりが逆に心を打つ。「作り手」の物語には弱いのだ。 | |||
梨木 香歩 | ||||
りかさん | うってかわったモロなファンタジー。軽く読めるが中身は深い。単純に大団円としないところがいいんだよね。 | |||
梨木 香歩 | ||||
に | ||||
ぬ | 迷宮遡行 | 全体に何故か漂う陳腐さ。プロットにも語り口にもツメの生温さが感じられる。もう少しソリッドな印象があればね。 | ||
貫井 徳郎 | ||||
ね | ||||
の | ボクの町 | 軽いようでグイグイ読ませる。ちょっと感動した。こういう職業青春モノもオレツボなのだ。 | ||
乃南 アサ | テレフォン・セラピー | いい事いってるんだろうけれどなんか腹立つ感じ?明らかに読者対象外故、今更何云うか?的反発が出てしまったのか。 | ||
野中 柊 | ||||
は | 木工のはなし | 話はいささかまとまりに欠けるが、時折きらりと光る名文句。“木である”ことに目鱗。一章ずつじっくりと読むべき本。 | マサチューセッツ工科大学 | 工学と科学の対比や微妙な意識の差などがとても面白かった。自分は科学者的思考なのでよけいそう感じるのかもね。 |
早川 謙之輔 | フレッド・ハプグッド | 東京名物 | どれも味わってみたくなる逸品揃いだが、特にジャンクフード系にはそそられた。写真もいい感じで物欲そそりまくり。 | かもめのジョナサン | 自己探求の寓話は聖的ではなくむしろ功夫や仙道という東洋的思想をより強く感じた。もっと早く読んでおけばよかった。 |
早川 光 | リチャード・バック | 語源の快楽 | 己の極狭な知識だけで語る独善に辟易。高齢者特有の聴く耳持たぬ態度に怒り心頭。これだから国文学者は!もっと謙虚に! | ビッグ・トラブル | 超スラップスティックな快作/怪作。一見無軌道だが実は目配の効いた速度感ある話、綺麗に決めた幕引き。見事、面白い! |
萩谷 朴 | デイヴ・バリー | |||
ひ | 一月物語 | 内容自体はなんてことはない。この文体だからこそ成立する話だが、といってその試みが成功しているとは思えないなぁ。 | ||
平野 啓一郎 | 平安妖異伝 | 新しい切口の時代伝奇もの。連作短編ゆえ軽さは否めないが、充分楽しめる。晴明が一瞬登場するのは御愛敬か?解説は× | ||
平岩 弓枝 | ||||
ふ | 『日本百名山』その後 山頂の憩い |
前文が名文!山蟲感涙モノ! 山行記録としても面白いが、なにより簡潔にして端正な文章で読み物として素晴らしい。 | 猟鬼 | 凄いリーダビリティ!一気に読了。ミステリーを主軸にした国家組織間のエスピオナージとしての面白さが際立つ。 |
深田 久弥 | ブライアン・フリーマントル | 彫師伊之助捕物覚えシリーズ | 一気読み。特に1作目は正真正銘ハードボイルド!ただ後2作は普通の捕物話になり少々ガッカリだが面白さに変わりなし。 | 英雄(上・下) | 敵組織が小粒な印象でもっとパワーゲームで片ついたんじゃないの的感想はあれど面白かったのでよし。オチは読めた。 |
藤沢 周平 | ブライアン・フリーマントル | |||
へ | 老人と海 | 心も身体もガタがきだした老人の戦いは雄々しくも痛々しく老いのつらさ哀しさが沁みる。が熱い文体は力強く響く。流石。 | ||
ヘミングウェイ | ||||
ほ | ボッコちゃん | 実は初読。良くも悪くも軽妙。ひねりが甘いと思ってしまうが本来これがはじまりなんだよね。そう思うと偉大ではある。 | アウストラロピテクス(上・下) | アイディア自体はいいが、科学的アプローチが弱くまた文章表現力やストーリー構成が冗長曖昧で読みづらい。相性悪? |
星 新一 | ペトゥル・ポペスク |
◆ | JAPAN | FOREIGN | ||
ま | 精神病棟の二十年 | 頭では内容の重要性や本質を理解しているつもりでも性欲と妄想の赤裸々な告白に下世話な興味は禁じ得ない。ダメすか? | ||
松本 昭夫 | ||||
み | 仙人の壺 | 漫画ではなく、絵本。そして簡単な絵解き本。作者の洒脱感にグッとくるねぇ。 | ||
南 伸坊 | ||||
ほんまにオレはアホやろか | 飄々とした山師で愉快痛快なおっさんだ。マンガ家時代を書き込んでないのが逆に新鮮。挿絵がもっと多いとよかった。 | |||
水木 しげる | ||||
よくわからないねじ | 論旨展開が不安定で書出しと結論が食い違う事多し。読みにくい。エッセイとしては面白いのかも知れないが共感できない。 | |||
宮沢 章夫 | ||||
む | 鞄に本だけつめこんで | 俺的に共感する部分はトラちゃん以外はなかった。多分人生観が違うんだろう。 | ||
群 ようこ | ||||
日本の朝ごはん | グルメ自慢でも偏狭なナチュラル指向じゃない普通の朝食模様。十人十色のささやかな主義主張が心地よい。 | |||
向笠 千恵子 | ||||
村上ラヂオ | 他人に読ませるための日記。軽すぎ。底が浅い。掲載誌があれじゃしかたがないのかもしれないが。隔靴掻痒甚だしい。 | |||
村上 春樹 | ||||
め | 恐るべきさぬきうどん 麺地創造の巻/麺地巡礼の巻 |
数年前さぬきマラソンをしたときにはここまで全国区的ブレイクするとは思わなんだ。また食いに行きたくなった。本気で。 | ||
麺通団 | ||||
も | 旅々オートバイ | 若々しい文体のバイク乗りの旅の気持。アウトドア系の旅日記じゃないのが新鮮。こういう旅もまたアリだなぁ。 | ||
素樹 文生 | そして二人だけになった | 叙述とパズルという荒技ミステリーとして解決しておきながら、さらにその枠を壊す驚愕の二段オチ。マジで驚いた。 | ||
森 博嗣 | ||||
や | ラビット病 | ほんわかというよりオバカな二人って感じのハッピーラブ。でもなんとなく解せないんだよなぁ。オレがコドモだから? | ||
山田 詠美 | ||||
ぼくは勉強ができない | 爽快な青春小説になるかと思ったら意外に悩む主人公。そういうのも嫌いでないが、できれば突き抜けてほしかった。 | |||
山田 詠美 | ||||
ゆ | 夏の庭 | 死で泣かせようとしない澄んだ雰囲気がいい。はじめて「死」を意識した自分の子供時代の夏の日を想い出した。 | ||
湯本 香樹実 | ポプラの秋 | 要するに少女時代の想い出話。なのに何故こんなに心を揺さぶられてしまう?通夜の情景(手紙のくだり)には思わず落涙。 | ||
湯本 香樹実 | ||||
よ | 風流冷飯伝 | これぞ粋。飄々と笑い、そしてグッとこさせる。ところで活字が大きいのはワザとか? | ||
米村 圭伍 | ||||
江戸っ子だってねぇ 浪曲師廣澤虎造一代 |
豪快だが実は云う程波瀾万丈でもない一代記を一気に読ませるのは文章の冴え。読みねぇ読みねぇ、江戸っ子だってねぇ! | |||
吉川 潮 | ||||
突飛な芸人伝 | 軽いエッセイ風な分、食い足りなさがないわけではない。でも寄席に行きたくなった。もち古典じゃなく新作で! | |||
吉川 潮 | ||||
退屈姫君伝 | 軽妙明朗艶笑(?)時代劇。たまにメタるのが個人的には鼻につくが、可笑しくってちょっとホロリのいい話じゃないか! | |||
米村 圭伍 |
◆ | JAPAN | FOREIGN | ||
ら | エンデュアランス号漂流 | 簡潔で力強い文章/内容でグイグイ読み進む。極限においては寒さよりも意志との闘いなんだな。すごい男達に熱くなった! | ||
アルフレッド・ランシング | ||||
停電の夜に | 全編に漂う倦怠&焦燥。そして泣けない哀しみ。人は二人では生き辛い生物なのか? ラストの一編に心救われる想い。 | |||
ジュンパ・ラヒリ | ||||
り | 吉原御免状 | かろうじて剣豪小説になってるが史観入ってるところが嫌らしくてダメ。もっとキャラ主導だったらよかったのに。 | ||
隆 慶一郎 | ||||
る | ||||
れ | ||||
ろ | ファーニー | いかんせん話が長すぎ。主人公達の過去を振りきれない生き方や考え方も少々受け入れ難し。ラストはハッピーエンド? | ||
ジェイムズ・ロング | ||||
わ | 万能感とは何か 「自由な自分」を取りもどす心理学 |
内容自体は興味深いが、説明の繰返しが多い。もっと簡潔にまとめ、その分歴史上の人物の分析や凡例を膨らまして欲しい。 | ||
和田 迪子 | ||||
満里奈の旅ぶくれ −たわわ台湾− |
確かに台湾茶は凄い。料理も旨い。でも俺的には屋台も捨て難いけどね。そして満里奈さんはやっぱいい。オールタイムで。 | |||
渡辺 満里奈 | ||||
他 | 殺人者はそこにいる 逃げ切れない狂気、非情の13事件 |
各事件について掘り下げが浅く、もう少し知りたい物足りなさはあるが、日本の司法制度の問題点には考えさせれた。 | ||
「新潮45」編集部編 | 発掘捏造 | 検証なき学問、考古学の脆弱さに驚き。しかし学問の徒として彼岸の火事ではないなぁと己を律するいいきっかけとなった。 | ||
毎日新聞旧石器遺跡取材班 | ||||
集 | 大密室 |
アンソロジーの悪い点は読んだことのある作品が混ざってしまいがちなとこ。まあエッセイだけでも十分面白かったけど。 | ||
有栖川 有栖 他 |
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