(監督:ミミ萩原)
そんな安手でばっかりあがりやがって、勝ち逃げは許さんっ。
実は全然期待なんかしていなかった。もともとスピルバ印の映画って詰めの甘い大味な作品、あるいは賞を意識したヒューマンドラマばかりで、俺琴線に触れることなどなかったのだ。てなわけでピースメーカーも単なる話のタネ程度のつもり。そんな感じで観に行った。
で。序盤戦は、“あ〜やっぱり”てなもんで。なんか展開がたるい(森林を走り抜ける汽車とか強奪部隊の暗視ゴーグルとかのディテールはそれなりにいいが)。結局ハリウッド製大鑑巨砲映画はダメダメか。と思った次第。
が、あにはからんや。舞台がアメリカに移ってから俄然良くなってくるのだ。ようするに主人公が登場してからだね(そりゃ、ヒーロー系アクション映画なわけだから、主人公が出ても鳴かず飛ばすなら大問題だけど)。
てな感じで捕まれて、あとは一気に話は進む。ミサイルを追いかけて追いかけて、たたみかけるようにヤマ場が続き、クライマックスに向けて収束していく(プロットがやや分かりにくい気もするが、それは俺が東欧事情に疎いせい?)。
難をいうと緩急の“緩”の部分の演出がちょっとたるい/くどい気がしたのだが、鼻につく程でもない。もしかしたら上映時間がちょっと長いのかもしれない。もう少しブラッシュアップしてもいいようにも思う。
ともあれ、お気楽に楽しむ分にはちょうどよかった。やっぱ期待して映画を観ちゃイカン。無心にこそ楽しいひとときの秘訣ありってことですね。