(主演:吾輩はネズミである。まだ名前はない)
ホームアローンのようでホームアローンでない。トム&ジェリーのようでとむ&ジェリーじゃない。それは何かと尋ねたら… 知らんっ!
ちょっと肩すかし喰らった感じ。痒いところに手が届かないもどかしさにも似たイライラ感だけが残ってしまった。もう少しなにかをプラスするだけですんごく面白くなるのに。
企画意図の狙いはいいが、詰めが甘い。コメディなのは確かなんだけれども、スラップスティックコメディなのか、ナンセンスコメディなのか、はたまたシチュエーションコメディなのか、ハッキリしないため、うまくノラないんですよ。要所要所にはグッとくる小ネタもあるんだけど、それがつながっていかない。
思うに狙い目はディズニー調のドタバタコメディなんだろうけれど、ボケもツッコミも中途半端なのだ。
演出上の視点もコロコロと変わるため、感情移入ができない。というか、オレとしてはネズミちゃんのキュートな演技をもっとフューチャーしてる話だと思ったんだよね。でも実際は、主役ではあるがあまり派手に活躍しない。狂言まわしに近い役回りで、だから主人公が運のない兄弟ってのは、その時点で「違うっチューの(笑い)」だったわけ。
ともあれ、そんなわけで散漫な印象を最後まで引きずったおかげで、どうも大爆笑作品には到底及ばなかった。ちぇっ。
しかし、お約束の王道といわれようとも、誰もがちょっとずつ幸せになれるラストに救われたっす。やっぱハーッピーエンドはいいよね。ホロリ。