(監督:ピーターちゃん)
4度目の正直。
すごく上質のウェルメイドなラヴストーリー。過剰な泣かせ演出もなく、悲劇や喜劇に逃げず、直球の勝負。いいよ、いい!
甘すぎるとかウソ臭いとか少女マンガとか批評することは簡単だよ。でもね、そんなん寂しすぎない? 実際、中国移民がどうとか、テレサテンがこうとか、そーゆーのをつついてる批評家が多い。確かに隠れテーマだったりするかもしれないが、でもそれは二人の恋物語の味付けにすぎんのだよ。はっきりとこれは素敵な愛の物語です。と、それだけで十分だ。そう断言する。
主役の二人がすごくいい。特に素敵なシーンはテレサテンのサインをもらった後のシークエンス。車のクラクションを使った見事な演出とそれに応える演技。あまりの切なさにもらい泣きっしょ。
あと、マフィアのパウさん。見てくれはともかく、なさけなくて愚直でいい男ぶりだよ。
演出がすごく自然、端正、上品。香港の映倫の関係もあるのかなぁ。アメリカ映画みたいにサービスカットよろしく行為のシーンだろうとなんだろうと、なんでもかんでもバーンと直接見せられるのは好きじゃないので、グー。
香港とNYの空気感もどことなく違う絵になってるのもすごい。
最後二人が向かい合ったシーンの後、再び86年に戻るあたり、わかってるって感じ。さすがピーターチャン!
2時間を感じさせない話にホロリズム。話が甘いので点も甘いか? いいよな。
レオンライは寺脇康文に、マギーチャンは萬田久子に似ている(黒木瞳でも可)。あと、クリストファードイルは志茂田影樹にクリソツ。