(主演:ジョン、監督も:ジョン)
ジキルとハイド。とりかえばや姫。そーいった系の基本に忠実な話。
整形手術のあまりの大ウソ加減(だって血液型が違ったら確実に抗体反応でとんでもないことだ)や、秘密海底刑務所(おいおい基本的人権はどーなっとるんだ)のガンダムさ加減など、むちゃくちゃな設定で、本来なら絶対破綻するようなバカ話なのに、ああそれなのに、なんでこんなに面白いのでしょう。
初っ端からたたみかけるようなアクション。溜めまくりスローモーション。冴えるケレンだらけの演出。リアリズムなんかクソ食らえ。要するに“見せる/魅せる”ことに忠実に作られているんだね。
シチュエーションの見せ方が巧いんだ。ジェットエンジンの使い方とか、クライマックスのハトの使い方とか。スローモーションではためくロングコートは言わずもがな。
それに、バタフライナイフなどの細かい伏線もきっちり使いきってるぞ。
つまりネタは破天荒だが、ストーリー的にはきっちし整理がついていて、矛盾がない。世界観としてきっちり成立整合させているから、見ていてひっかからないんだ。
しかしなんといってもこの映画の魅力はガンファイト。撃ちに撃ちまくるし、それでいて、ただ弾をばらまきゃいいってもんじゃないよってのを判ってくださってるのよ、ウーさんは。ケレンケレン。う〜ん、格好良すぎるぞ。
話は、煎じ詰めると決闘する二人の男の物語に集約できる。それに親子の情や夫婦の情が絡んでくるというつくり。
話を展開させていく上で、例えば、自我喪失から自己崩壊への破滅の物語にすることもできたし、親の因果を子に報わせるやるせない話にもっていくこともできただろう。最近のアメリカ映画って、たとえアクションものでも心のトラウマ系かますことがとみに多い。それに比べてなんと潔いことでしょう。
多分、一度目より話の分かってる2回目の方が面白いぞ。これこそイベントムービーといえましょう。
画面のサイズでかいねぇ。ビスタより横長の映画も久しぶりだ。