(監督:バリレビ)
安直な超能力物語。
あー、原作モノでもあるしネタばれ感想でいくよ、今回は。だって、他に犠牲者を増やしたくないもん。
原作もこんな感じの話なのか? 読んでないのでなんともえないんだけれど、少なくともこの映画はダメだ。海底に眠る巨大宇宙船。そしてその中にある完全なる球体。こんなSF的導入から、海底の前進基地を襲う不可解な事故というホラー的展開。それはそれでいいんだ。でもってあのオチはないだろう。結局なんの謎の解明もないまま球体は飛び去っていっちゃうんだよね。別に論理的回答を出さないのがいけないというのではない。すべては謎のままでもいい場合だってある。しかし、これはないよ。なんにも解決してないし、なにも訴えるものがない。密閉空間のありきたりな心理劇を見せられただけ。
演出はドキュメンタリー色が強く、ハッタリもケレンもない。眼福映像もない。とても退屈。海底に眠る巨大な物体の“巨大さ”も全然感じられない。この監督って、SF魂の資質がないのかもね。もちろんあるからといって面白い映画が作れるわけではない。なくてもいい映画は撮れるのだけれど、少なくともこの話についてはセンスがないなら手を出すべきではなかった。「アビス」とか「イベントホライズン」とか、面白映画の前例があるだけに、今回は失望した。
ヤマなしオチなし意味なしの140分。つらいよ。
ダスティンホフマンってきらいな役者じゃないはずなのに、どうも違和感がある。演技が大味っていうか、あざとさが目立つっていうか、どうもダメダメ。うますぎて逆に浮いてるのかなぁ。アウトブレイクのときもそう。体質的にSF系映画には向いていないんじゃないか。