(主演:ブルースウィリス×リチャードギア)
迫るテロリスト、追うスナイパー、バックアップはFBI。
知力勝負。
またまた男対男の映画だ。でもってまたまたアクション映画じゃないのだ。いやホントにクライマックスまでアクションシーンってほとんどない。もうひたすら丹念に、テロリストの冷徹無比な準備と、それを追うFBIの捜査を丁寧に冷静に描いていく。だからアクションムービーにありがちな“絶対死んでるよお前”的な不死身アクション系エピソードもなく、まさに生身の対決というムード。演出がうまいのかね。アクションでひっぱらなくても、緊張感があり、2時間がだれないのがすごい。
マイナス点としては、伝説のテロリスト対IRAの凄腕スナイパーという、悪対悪の設定が今回のウリなのに、リチャードギアが結構いい人になっていて、ちょっともったいなかったこと。まあ、元CIAとか元シールズとかそんなパターンよりはよかったけれど、もう少し、悪ならではの行動原理で追いつめていく過程がみたかったな。まあ、クライマックスでそのスナイパーぶりを遺憾なく発揮しているのがフォローか。
役者リチャードギアとしてみた場合、いい感じに枯れて味が出ている。甘いマスクが逆に悪人面っぽい。ブルースウィリスも、肉体派俳優じゃない描かれ方をしていて、よかった。巧みな変装で翻弄していくところとか、昨年の「セイント」の子供だましさ加減と比べ、別格のつくり。
思っていた以上に面白い、ホントお勧め。