(主演:なまものCG)
お金のかかった怪獣映画。
面白い。予想外に楽しめた。
円谷ゴジラは好きだが、私には、それを犯すべからざる聖域と見る懐古至上趣味はない。巷では、とにかくなにがなんでも円谷を神様扱いするような論調も多いが、作中でも今この作品が成立すべき説明(ゴジラに似ているからゴジラと呼ぶ)がなされているように、今回のゴジラに対する解釈はとても正しいと思う。平成日本版ゴジラのような単なる焼き直しよりは、よほど誠実だ。同様に核の恐怖のメタファーではなく、生まれたくて生まれたのではない生物の悲劇として描かれている点も評価されるべきだろう。
それはそれとして。基本的には、やっぱりあくまでもエンタテイメント映像至上の中身なし映画が売りのエメリッヒ。中身はあってなきが如しであることにはかわりはない。
前半部の「ゴジラNYに出現」から「ゴジラ対戦闘ヘリ」のシークエンスは超ワクワクもんで、巨大怪獣という“天災”にどのように対処していくかという話がスピーディーなアクションで描かれていて、血沸き肉躍るのだが、しょせんはそこまでで、おかずを詰め込み過ぎ。エイリアンでジュラシックパークでグレムリンな展開にはあきれるばかりなり。ま、イベントムービーにそれ以上を望む必要なし。
CG技術の堪能映画(言い過ぎか)。