(主演:アントニオバンデラス)
大地主の跡取り息子は軟弱者。しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。その正体は悪徳代官を懲らしめる謎の男、ゾロ! めくるめく恋と冒険の絵物語。(あ、これは原作か)
スピルバーグ印は5割引き、というのが私の信条である。だってこのところロクな作品ないじゃん?(過去の栄光だけで食ってるとまではいわないけれどね) ま、そうそう連敗ということもないだろうし、今回はスカッとする剣劇アクションを見れるのかしらと、そういった映画を期待していたわけよ。予告を見たかぎりではさ。
で、だ。
お話は原作とはいっさいつながりのない別設定、別ストーリー。なるほどそうきたか。それはそれでかまわないんですよ。面白ければ。しか〜し、なんか大味だぞ。
一言でいっちゃうと、よくいえば王道、悪くいえばステレオタイプなヒーロー誕生譚ですね。一昔前のカンフー映画に近いかもしれない。そりゃそうだ、だってチャンバラ活劇なんだもの。話は二の次で、ゾロの活躍、アクションが第一に作られているのだ。
あからさまに残酷(グロ)なシーンは2箇所しかなくて、明確に人が死ぬシーンはほとんどない。女性の裸も一切出てこない(別に出せと言ってるわけではないが)。適度に笑えるギャグシーンがある。もしかしてこの映画、お子ちゃま向け? そうなんだろうな。でも、だからって雑な作りでいいって話ではないんだよ。
雑。ではないんだよね、人も金もかなりつぎこまれているのはラストのスタッフロールを見れば一目瞭然。でも印象はどうしてもB級アクションのそれ。アクションも目を見張るほどでもないし、話も演出も一本調子で単純。つまらないとはいわないけれど、どうにもツボにはまらない。痒いところに手が届かないもどかしさ。うーん、2時間もの大がかりな大作的作りにするほどのもんかなぁ。
それでいいのかバンデラス、ホプキンズよ。ケレン味も中途半端。ここはひとつあえて、きっぱりダメといわんといかんだろ。
バンデラスのむんむんする男臭さがあまり感じられなくて、残念。ってそーゆー意味じゃなくて。