(主演:室井“いまや体力芸人か?”滋)
舞台はとある大阪下町商店街。幼なじみの天敵が、ひょんなことからバレーで勝負。はてさてどうなることやら… てな感じの由緒正しい(ママさん)バレースポ根コメディ。
えらいコテコテのコメディ。ちょっとがさつで粗い話が、(いい意味で)大阪発ムービーっぽい。なにしろイキがいい。商店街のママさん(?)が、なりゆきでバレーをする羽目になって、やがて少しずつバレーの楽しみに取り込まれていく様子を、わかりやすく(お約束的に)描き出している。
盛り上がって、負けて、挫折して、悔しくて、仲間でもめて、和解して、そして最後の大勝負、どうなる? 勝つのか負けるのか? ね、思いきりベタなスポ根でしょ?
でも登場人物が、ヤンキー娘にオカマさんに、怪しげなインド女性と、なぜか普通とは言い難いキャラばかりで濃いつうか。でも実に愛すべきキャラなんだよね。
とにかくすごいベタな話なんですよね。悪くいえば底が浅いともいえるが、でも、こういう軽めのプログラムもありだと思うわけですよ。バカバカ可笑しく、さくっと笑って、足取り軽く映画館を出ていく。そういう映画もまたいい。
話自体は、とりあえず身の丈サイズのこじんまりとしたつくりになっている。TVサイズの話なんじゃないの、あえて映画でなくてもいいんじゃないの、という印象もあるのだけれど、現実は、TVの2時間スペシャルは、ほとんどが頭使ってない的ゴミたれ流し腐れミステリーだし、Vシネマはエロスとヤンキーばっかだし、そういった状況下においては、ぴりっとまとまったコメディは映画でしか会えなくなっている。
もっとも、本来こういうコメディ路線も映画のプログラムとして成立していた時期もかつてあったわけで、だから映画じゃないよというのは、本当は勘違いなのだった。
個人的には、ライバルが睨みあった場面ではなぜかバックに稲妻が走ったり、突然ミュージカルになったりと、悪のりなバカっちょ演出をもっと多くみせてほしかったな。好きなんですよ。そーゆーノリ。