(監督:ジョンカーペンター)
う〜ん、カーペンターらしいっちゃあこれ以上カーペンターな話もないっっすね。
吸血鬼を追うスレイヤー達と娼婦の報われない(ある意味実ったともいえるが)恋の行方。吸血鬼が求める日の光への渇望。老い故の背信。あまりにも定番的展開といえばそうなんだけれど、いいのだ。だってプログラムピクチャーじゃん。面白けきゃいいのだ。
全体に流れるドロ臭さ、埃っぽさといい、やっぱり、こういうやさぐれ系映像ならカーペンターにまかせろって感じですね。実はあまりバジェット使ってないと思われるけれど、見せ方や雰囲気づくりといった手際のよさで、安っぽさ感はない。というよりもともと安っぽい話なりのつくりなのか? んなことはないか。
冒頭からいきなり見せ場。廃屋を探索するスレイヤー達。突然襲いかかる吸血鬼にアンカーをぶち込んで、ウィンチで無理矢理、太陽光の下に引き吊り出す。トリーリングだね。吸血鬼はたちまち燃え上がりやがて骨だけになる。これでつかみはオッケーでしょう。
吸血鬼が夜になって地面からぼこぼこ出てくるシーンには手放しでワクワクする。吸血鬼イコールヨーロッパ訛りのド貴族じゃねーってことを一番印象づけるシーンだが、カッコいーんだなこれが。長マント好きにはたまらんシーンである。
冷静に見ると、あんなちまちまとした退治の仕方をするくらいならナパームでもぶち込んで地面ごと掘り起こしちまえばいいんじゃねぇのって思うわけですよ。クライマックスでのドンデン返し(という程でもない)によって、ああそのせいで、物量作戦がとれなかったのねと、一応の推測はできないこともないけれど、でもちょっと強引。もう少しきちんとフォローしてくれた方が俺的にはいいように思った。
でもいいいのだ。いきおいで見る話に説明は不用なんだよ。ノリで観ていいのだ。そういう話なのだから、それでいいのだ。
でも一番気になったのは、上映中最後までピントが微妙にずれていたこと。これって技師のミス? それともそういう作品? う〜ん