(主演:無論、メグライアン)
君を好きになってもイーンタネット(←オヤジ)
本当、ラブコメ以外のなにものでもない(もちろん誉めているのである)。
ラブコメだから、変に頭をひねらずに、二人の恋のなりゆきをぽけーっと楽しんでくれればいいという感じ。それ以上何を望む?
それとNYの秋から春にかけての風景もお楽しみのひとつ。小粋な恋模様の舞台としてもグーだし、なにより眼福ですね。行きたくなるぞ、NY。写真撮らせろ、俺に。って感じ。
ただ話の流れとして、もったいお化けが結構出てきてるのね。例えば、キャスリーンの店の、バイトの男の子が女の子の気を引こうとしているエピソード(っぽいシーン)が1か所あるけれど、結局それがどうなったかは活かされないままだった。これが、例えば店を閉めたときに、二人は一緒に暮らすことになったとかそういう告白があると、映画で描かれる主役の二人以外にもいくつもの恋い模様があったんだなとわかり、胸キュンになるのに。
Eメールでの恋なんだからもっとそれを活かしてほしい。例えば、二人はメールのやりとりをしていることを隠そうとしているけれど、Eメール自体はやましいことじゃないわけでしょ。じゃあ、なんで? ってところでそれぞれのパートナーはパソコン嫌いだったとかそういう味付けが弱いように思う(キャスリーン側では多少はあったけれど)。
それにラストだって、ジョーが登場するときに自分のハンドル名の由来を話し出して、それでキャスリーンはようやくNY152の正体に気づいてとか、そういう方がベタだけど“らしい”でしょ。いや、それよりそのラストシーンに至る前に、キャスリーンがジョーを好きになっている自分に気づいて悩むとかそういうシーンはなんで入れなかったんだろう。それがあってはじめてラストが生きてくるのに。
(今気づいたけれど、これらのエピソードの組み立てって少女マンガの定番だね)。
そもそもトムハンクスとメグライアンの歳がイッテルのがちょっとね。それをいちゃおしまいよ、かもしれないけれどさ。なんか無理矢理っていう気がしないでもない。そのせいで二人ともお互いのパートナーを裏切らなければ結ばれないという「それって結局、二股? 不倫?」というイヤな見方もでてくる。
でも、そんなのは全部、重箱の隅。チャーミングな恋物語なんだから、素直に見ていいんだ。そんな目くじらたててラブコメを見ちゃいかん。愛だろ愛(古い)。