(主演:アニタ・ユン(ラヴ))
ゲイは身をたすく。
うーん、思っていたのと全然イメージが違っていた。もっと胸キュンもののラブコメかと思っていたのだが。
前作がラブコメの王道を行く話だったのに比べ、今回はガラリと趣を変え、エッチくささ全開の艶笑譚。いやまったく。主役のレスリー・チャン演じるサムとアニタ・ユン演じるウィンは同棲中ゆえ、いろいろあるのはいいとして、帰ってきた伝説の大女優フォンやそのお供のオー、ウィンの幼なじみが入り組んで、レズもゲイもなんでもありあり。複雑な糸がこんがらかって、ちっとも解けない。
金枝玉葉のよさって、ウィンの一途な思いを軸にしたコメディの部分にあったんだと思うんですよ。で今度は、ウィンとサムは晴れて一緒に暮らすことになるわけだが、他人同士がひとつ屋根の下で暮らしていくのは結構たいへんだったりするのよ、というのが基調にあるんですよね。生活習慣や考え方の違いというのは、思った以上に深刻で、でもそんな障害を克服していくことで、より愛が深まりました。という話なんだ。だからどうしても二人とも悩んだりするシーンが多くなってしまって、軽妙なストーリー展開とはいかない。
でも、もっと“うーん…”なのは、話が散漫、というより動かないところ。どこで盛り上がってよいものかよくわからない、不思議な感じなのだ。ようするにまとまりがないということなんだけれど。こうクライマックスに向けてテンションがぐんぐん盛り上がっていく感じがなかったのは残念である。
前作が完璧すぎたのだろうか。ちょっと未整理のまま、最後までいっちゃたかな。というところか。