CHART-DATE : (1999/05)
作品
8mm
… 8mm

(主演:ニコらす刑事)


お話

 中年探偵がんばる。


お話

 ほどほどに楽しめるサスペンス映画ってとこか。ちょっと拍子抜け。

 人間の暗部、狂気を描く。って描いてねーじゃん。主人公は実に健全で、最後の最後まで、ダークサイドに引き込まれることなく至極まっとうに事件に対峙していく。まあ、クライマックスで、法を犯してまで殺人を行うんだけれど、それも別に悪に染まったからではない。とりあえず一番悪いヤツっぽいカルト映画監督も、しょせんは悪趣味の小悪党。可愛いもんである(ってスナッフ撮るために人を殺すようなやつをつかまえて可愛いもないもんだけれど。オレも染まってるのか? サイコのインフレ現象か?)。

 とにかくだ。スナッフムービーが人を暗黒面にひきづりこむというが、確かにみんなフィルムを見てびびってるようだが、実感がないだよね。そりゃ確かに実際にそういうフィルムを見たら、胸クソ悪くなるとは思うが、そこで感じる嫌悪感と、映画で表現されてるような絶対否定とは違うと思うんだよ。あそこまで怯えることもなかろうに(こう書くとスナッフを肯定しているように思われちゃうかしら。誤解しないでね)。なんかオレが知らない禁忌があるのか。

 話自体の構成/展開がちょっとおかしいだよね。真の悪党が弁護士(と大金持ち)だったところまではいいが、監督が死んだ後、私立探偵があそこまで被害者に入れ込み、ついには殺人を犯すだけの理由が描き切れていない。さらに、黒マスクの男の正体が普通の人でびっくりというのは、どうよ。単に普通の男だったからオドロイタってことでいいのか? サイコな犯罪者は凶悪なヤツじゃなくちゃいけないという暗黙のルールがあるならともかく、それをエクスキューズとするだけの伏線も心理描写もまったくない。

 あまりにも素直で健全(?)な演出がされているもんで、怖いとか、気持ち悪いとか、そんなのはまったくなし。まあ、ダークな雰囲気自体はそこそこあるし、単純にハラハラできて面白かった。で、おしまい。そんな映画でした。


お話

 でも本当にあんな闇市があったらちょっと行ってみたいかも。あ! あれってコミケか(笑)?!


お話
★★★ ☆☆

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