(監督:井筒和幸)
営業でハワイに行っていろいろあった。
なんかもう話すことないや。のっけからで悪いが。
だって退屈だったんだもん。
淡い恋物語もなんか煮えきらないし、ディナーショーでのドタバタも全然笑えない。だいたい都はるみ程のビッグネームのショウにもかかわらず、前座選びがすごい場当たり的でウソ臭い。でも現実も本当はあんな感じで興行しているのなら、それはそれでびっくりだが。
そう、都はるみもね。歌姫としてはすごく好きなんだけれど、演技の面からいうとちょっと首を傾げる。こういった人情喜劇は、演技の妙で見せなきゃいけないんじゃないのかな。
ハイテンションキャラとして配置されたはずの山本太郎も全然不発。というか出番なしというのもね。もっと活躍されなきゃダメ。笑えない喜劇になってしまったのは、笑いメイカー役にきっちり出番を作っていないせいもあるんだと思うのだ。
舞台がハワイというのもね。かつては全ての日本人の憧れの地であったが、今はお手軽なリゾート地となっている、現在のハワイというポジションをもっと描いてほしかった。日系移民は出てくるけれど、その歴史にはノータッチだし。社会的な現状もなく、単に歌う歌わないというネタに終始してちゃ広がりもない。
前作での叙情的な人情喜劇は群像劇だからこそ成立したのだろうか。今回は赤城麗子だけ。赤城麗子じゃあ、まだピンをはれるほどビッグじゃないってことですかね。
やっぱり、異国の地でのさまざまな人生模様が、最後のディナーショウで交差する的な話であって欲しかった。