(主演:ジェミリカチスとか)
謎の宇宙生命体と人類との壮絶な戦い(ウソ)
一言でいえば古臭い話。
宇宙からきた好戦的な人類を抹殺しようとする電磁波生命体と人間の戦いなんて、10年前のSF系B級マンガ。はふ〜。そんな食傷ぎみの設定にげんなりしたのだが、話の展開がまたギャフン。電磁波生命体は抹殺手段のために繰り出してくるのが、虫型機械生物と殺した人間をパーツにしたバイオメカロイド。んもう、アマチュア映画じゃないんだからやめてくれだよ。
タイトルのウィルスが電磁波生命体ではなくて人類を指してるというところはなるほどとは思ったが、でも手垢のつきまくってる解釈だしなぁ。
電磁波生命体は人類を“破壊的で好戦的だから抹殺する”というが、あんた達のほうがよっぽど破壊的で好戦的じゃねえの? しかも電気がなければ生きていけない脆弱な生命体ふぜいが。結局、単なる狂信的で自分勝手な思い上がりじゃん。あ、もしかしてそれって人類のカリカチュア的存在? 風刺? そんな深い意図なんかないか。
重箱の隅をつついてみよう。
船と基地が通常回線で通信してるでしょ。あれはまずいだろ。だって通信電波にのって生命体が移動/複製しちゃうんじゃねーの。もともとそうやってミールから地球に来たわけだし。それともそのくらいのことができないようなアホタレ生命体なのか。ダメだこりゃ。
一番おまぬけな登場人物の船長。えらそー風吹かせまくってるけれど、その実、なーんもしていない。なんであんなに金にこだわるのか。そしてなにがやりたいのかまったくもって不明。しかも自分からアクション起こさないのでいてもいなくても一緒。邪魔なだけ。あげくの果てにバイオロイドに自ら改造されるのはいいとして、あっけなく殺されちゃう。一体何のためにでてきたんだ。
SFXは確かに多い。しかしあの程度ならもはやあって当然。特に目をみはるようなもんでもない。観る側の目がおごってるのかも知れないけれど、でもねぇ。見せる/魅せるためのアイディアがまったく感じられない。
まあB級映画にあれこれ文句をつけてもしょうがないか。
なんでみんなあんなにカミカゼアタックしたがるんだ? 人類のために命を粗末にしなけりゃならないなんて、よくない風潮だよ。