(スーパースター:ラジニ・カーント)
恋と踊りと一攫千金の無駄使い。
定番の明朗ノーテンキな娯楽超大作である。定番だから勧善懲悪ストーリーだし、もちろん最後はハッピーエンドの大団円。ちょっとだけ涙。3時間弱をハラハラドキドキ楽しんで、スカッとする。そういう映画だから、特に熱く語るような、あるいは、難癖つけるような映画じゃないっす。
といっておいてなんだけど。重箱の隅をほじくってみると。
登場人物は多いわ、名前は覚えづらいわで、導入部はちょっとまだるっこしい。観ているうちになんとなく理解できるので、大問題というわけじゃないんですけれど。
設定もちょっと複雑(ご都合主義的かもしれないが)。なにしろ田舎の大地主の跡継ぎが実は捨て子で、それを知って大都会マドラスへ一人旅立つと、実は億万長者の一人息子で、莫大な財産を相続するために3億の無駄使いを義務づけられる。わけわからん。いや単純ではあるんだけど、「なんだかなぁ」という印象ですね。ま、主人公などの心の動きもそれなりに表現されていて、心理面での胡散臭さはあまりなく,突拍子もない展開で鼻白むことはない。つまりドラマとして成立してるということだ(ちゅーほどご大層なもんでもないか)。
インド映画とくればもちろんダンスシーンについてふれなければならない。オレ的には、民族衣装コスプレ入ってる系のが好きなので、大満足。ラジニ登場の豪快な踊りもいいが、ベストは、妹の結婚式前夜の祝いの席での謎かけ歌のダンス。座りながら、しなだれながら、軽やかで艶っぽくてウルトラハッピーな感じ。
後半のマドラス都会編では、都会派を気取ってるのか、金持ちぶりをアピールするためか、洋装姿が多くなり、それにあわせて踊りも西洋風(MTV風?)もちろん悪くはなかったが、でもやっぱヘンだわ。
ま、さくっと楽しめる映画というところですね(というわりに3時間は長いっすかね?)