(主演:中井ピーチ)
忍者武芸庁推薦。
う〜ん、やりたかったことは判るが、しかし今イチのれなかった。
冒頭の伊賀村襲撃のシーンがとにかくダメ。ジャギ出まくりの荒いデジタル合成にナレーションだけで説明してしまう即物的な演出、中途半端な人数の合戦劇は安っぽさだけしか感じさせない。
話も、話としてはつまらなくないのにキャラの描き方がうすいのか、ダイジェストのような表面的な説明を受けているようだった。しかもとっちらかっていて焦点がぼやけている。なんでかと考えてみるに、やはりこれは演出面のもたつきなんだろう。
空間表現はけっこう見るべきところがあって、例えば夕景の城下街の俯瞰、黄金の迷路のような城内(ただしCGづかいは全然ノーサンキュだが)、深夜の楼閣などは本当にワクワクした。実際の古寺や城を使ったロケシーンもさすが重厚感あふれるものとなっている。
それに京の河原の怪しげな雰囲気も実にいい。匂いたつような胡散臭さが実に見事で、ここだけを舞台にした話が見てみたいと思うくらいだ。
が、それらのお膳立てをもってしても、演出のへたさは補えなかった。もったりしたカット割りの下手さや、中途半端にワイヤワークを使用した忍者アクション演出のオリジナリティのなさ。う〜ん、寒いな。
結局、オレは時代活劇が見たかったんであって、秘められた歴史絵巻なんか見せられてもトホホなわけですわ。なんかガッカリだった。
中途半端な映画観ちゃったな〜、てところかね。