(?:わからん、知りたくもないし)
いい歳こいた男がなにやってんだ的犯罪映画。死して屍拾う者なし。
面白くなりそうだったのに結局失速した、イヤな後味が残る映画だった。
社会人になって数年の、大人になろうとしている若者達が、ひょんなことから犯罪者になってしまったための悲喜劇なのだが、これがどうにもはしにもかからない馬鹿な話なんだな。
主人公が実は義賊な銀行強盗で、仲間の結婚式に向かう途中に自分の町の銀行を襲い、合流が遅れた主人公を迎えにもどってきた仲間も犯人になってしまう。ハレの門出の日にそんなことするか、普通? しかも地元でさぁ。そんなふざけた設定の中、話はすすむわけだ。
主人公は銀行強盗、主人公の父親が警部補、襲った銀行が地元で人質も皆知り合い、というふざけた状況でのシリアスな展開。だから、作調はどこか牧歌的な雰囲気の茶番劇ともいえたんだよ、最初のうちは。人も死なないしね。だから、これは悪役不在の不思議なテイストのクライムコメディに発展していくのかなと思ったわけ。それならそれでありかな、と。
ところがFBIが登場すると、話は一転して生々しくなっていく。人が死にはじめ、それぞれが抱える悩み(恐妻家で自分を見失ったとか、ゲイで軍を除隊せざるを得なかったとか)を吐露し始め、なんだよこれはまたまた悩める現代人ものかよ、と思っているうちに逃走劇となり、最後はボニーアンドクライド的エンディング。もう後味が悪いことこのうえなし。
結局なにがしたかったのあんた達。なにがしたかったの脚本と監督。ギャフンだ。
ドリューバリモアがヒロインだけど、やっぱりユルい印象は変わらず。オレ的に全然ノーサンキュー。