(監督:レニーハーリン)
あれはダゴバの街で買った私の肉奴隷…(笑)
つまらなくはなかった。もしかしたら面白かったのかもしれない。
なのにこの異質感はなんなのだろう。
パターンナイズされたストーリー展開ではあるが、動物パニックのエンタテイメントとしてきちんと成立しているし、大味なのはレニーハーリンの持ち味でその分スピーディな演出がフォローしている。だからそれが不満なのではない。
例えば、中盤でサミュエルLジャクソンがあっさり喰われたり、クライマックスでヒロインが犬死するなど、どんどん人が犠牲となっていくのも(これは残念なことなのだが)事前に知っていたのであまり愕然とはならかった。おそらくなんの事前情報もなくみれば、「え! こんなところで死ぬなんて…」という恐怖も味わえる。だから登場人物に感情移入なんかしていれば、もういつ襲われるかわからない心臓をつかまれているような緊張感も経験できただろう。ようするに動物パニック映画として成功しているのだ。
なのにこの違和感は何なのだろう。
SFXも、CGっぽすぎてちょっと安い気もするが、それもちょっと鼻につく程度でだからダメだということはない。
ではなんでダメなんだろう。
多分、それは人が襲われていくときの描写がオレに合わなかったせいだ。サメが襲いかかってくる。大きな顎で生贄とひと飲みにする。それはそれでいい。当然だから。だがそれを絵としてどうみせるかというのはまた別の話である。
噛み切られ、真っ二つになった胴体や首が画面を舞う。この露悪趣味。これがどうにも鼻についてたまらなかったのだ。ホラー映画も嫌いではないし、(初なネンネじゃあるまいし)残虐描写が苦手なわけでは断じてない。しかし、“イヤだ”と思ってしまったのだからしかたがない。
サメ対人間というワンアイディア映画なので、この露骨さは全編にわたってつきまとってくる。ゆえにこちらも最初から最後までそんな尻のすわりの悪さがつきまとってしまい、素直にみることなく終わってしまったのかもしれない。
もっとも、自分がそう感じたのであれは自分にとっての感想は「いやな映画だった」ということでいいのかもしれない。
ま、多分面白かった映画だと思う。でも、オレには合わなかったけれどね。
でもなんでサメなんだ? サメってそんなに動物実験に向いてる動物なのかなぁ。まあイルカやサルよりは動物保護団体からの攻撃は少ないかもしれないけれど、それが理由?