CHART-DATE : (2000/01)
作品
家族の絆
… ジーンズ 世界は2人のために

(監督:シャンカル)


お話

 おちゃめなふたご。


お話

 タミル語映画ってみんなこんな感じなの?
 もっと純愛ラブストーリー(言葉重なってるね)かと思っててたのに、違うじゃん。いや純愛でもあるんだけれど、オレはもっとロマンチック街道かと思ってたんだよ。ところが、かなり大バカ入ったエンターテイメント。いやそれがダメっつーわけじゃないんです。それはそれでありですから。

 ただ、いろんな意味でえらくゴージャスなところが今までとは違うところ?
 画面からゴージャス感がビンビン伝わってくる。例えば、空撮あり。CGあり。世界各国でのチョイロケありで、もう金かけてるなぁ。
 で、その効果もね。グランドキャニオンでのダンスシーンは群舞ではないんだけれど、そのぐるんぐるん廻るカメラワークだけで鳥肌たった。

 (一応)双子が3組も登場するのだが、ありがちなカメラ分割だけではなく、体の位置を入れ替えたり握手したり、あまつさえ肩まで組んだりもうやりたい放題。SFX技術はここまできたか、というかもはやこのくらい当然の世界なんだなと実感した。結局、手法ではなく表現が重要なんだなぁ。そしてもちろん表現はストーリーあってのものである。  となると“双子”というテーマがどれだけ生かされているのかということになるわけだが、正直なところあまり意味がないのではと思ったのだった、前半パートではね。だって別に一人息子であっても話が十分成立するんだもの。双子ならではのいれ替わり間違いや、誤解からくる恋のサヤあてなどはまったくなく、ふたりの愛は、片われの弟に見守られながら、順調にはぐくまれていく…
 と思っていたら前半の山場で、すごいことになるのだった。父親も双子、相手の女性も双子(?)というとんでもない状況が判明し、それぞれの恋模様、家族の想いが錯綜し、話は複雑に入り乱れていく。俄然面白くなっていく。

 後半舞台はLAからマドラスへ移り、さらにすごい話になっていく。いくのだが、これがシリアス方面に進むのではなく、それはもうしっちゃかめっちゃかな、往時のハリウッドコメディを彷佛させるドタバタコメディ。ある意味、潔い。ストーリーも破天荒ならば演出も無茶。CGでガイコツも踊ればTレックスも踊る。もはやなんでもありの世界。ベタな大バカムービーだよ(もちろんこういうのも嫌いではないのはいうまでもない)。  まあそんなこんなでも、ラストで様々な想いは収まるべきところに収まり、ふたりの愛はやっとこさ成就し、大団円はきっちりと決めて(ちょっと淡白かもしれないけれど)、めでたしめでたし。気軽な気分で楽しむことができた。


お話
  1.  主役のふたりがいわゆる典型的なインド役者じゃない。ヒゲないし。“濃く”ないっていうんですか。そういえば派手なアクションシーンもないな。そういう細かいところで今までのインド映画とはひと味もふた味も違う。  主人公もそうだけれど、ヒロインも思いきりスレンダーな魅力。さすがミスワールド、というのはどうでもいいが、こういうのもあり。十分にアリだ。って節操ないね、オレ。相変わらず。
  2.  でも父親役ナーザルやボケ役センディルもオレとしては捨てがたい。いい味があるんだよなぁ、オヤジキャラって。
  3.  世界遺産の前で踊りまくるダンスはあくまでもイメージということで、ストーリー上全然必然性はない。が、御当地コスプレ満載でオレ的には大満足。ただフランスでの縦ロールにフリフリドレスは、まんま『ヒメヒメ』でちょっと笑った。
  4.  あ、最後に。音響効果が凄い。音が飛び回ってる。だから観るなら音響システムのいい劇場をお勧めする。

お話
★★★ ☆☆

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