CHART-DATE : (2000/01)
作品
磯良
… ISOLA 多重人格少女

(最近好き:木村佳乃)


お話

 話の話


お話

 多重人格がテーマなのかと思ったらそれはフェイクで、実は思いきり直球の幽霊の怨念(しかも色恋沙汰)話。
 そのギャップや“ISOLAと磯良”などのキーワードの使い方は、なるほどと感心したのだけれど、それは原作の力でもある。映画としてはそれをどう演出していったかが大事で、誰にでもわかりやすくしましたというのもわからないのではないのだが、ちょっとあまりにも直接的すぎた。

 演出がちょっと雑で普通過ぎなのだ。彩感を落としたダーク調の映像は恐怖感や不安感を醸し出してよい。ムードはいいのだ。だが、細かい演出がね。人格が変わると外見まで変わるってのはないんじゃないですか。髪染めや隈取り化粧はない(しかも男の人格のときだ)。見え見えの浅い意図があざとすぎる。クライマックスの融合シーンも類型的。光って融合ってのはないだろ。

 そんなわけで、結果として要するにいまひとつ乗り切れなかったということです。


お話
  1.  エンディングが原作と180度違うが、オレ的にはこれはもちろんあり。映画は映画の終わりがあっていい。そして暗い劇場から出ていくときにはそこに希望があったほうがいい。と思った。
  2.  震災後のPTSD問題がこの作品の重要なモチーフのはずなのに、一言も触れられていない。触れられていないということは、それは考えなくてもよいということか。う〜ん、だったらこちらの深読みしすぎだったということですね。
  3.  アイソレーションタンクのデザインがデコラティブでこれまたあざとい。浮いてるんじゃない? 大学の貧乏研究室(だよね?)はもっと手作り感漂ってるはずなんだけどなぁ。
  4.  全体的に恐怖感はない。ないが、オレ的にどうしてもダメなシーンあり。アンダルシア的先端恐怖症があるんだよな、オレ。
  5.  乖離性同一性障害じゃないの? 多重人格症じゃなくて。もしかしてもう正式な病名になっちゃったのか?

お話
★★ ☆☆☆

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