(主演/監督/脚本/武術指導/主題歌:ジャッキー・チェン)
アフリカからオランダまで、ジャッキーが行く!
最早まごうことなきジャッキー映画なのである。いつもの大味でプリミティブな一本調子の体力勝負。でも憎めないんだなぁ。
ジャッキーも老いてますます盛んとはいえ(失礼な!)、さすがに往年の猛烈バカスタントの嵐というわけにはいかない。見ていてなんとなく青息吐息感があるのだ(考え過ぎか?)。それでもクライマックスの高層ビル屋根落ちや、突進ライオンなんかはさすがといおうか… バカだなぁ。もちろんアクロバティックカンフーはいつものとおり。十分に楽しめる。
一番すげーと思ったのは、なんといってもカースタント。前半のラリーシーンの疾走感もさることながら、後半でのランエボのカーチェイスシーン。飛んだり跳ねたりまわったり、階段駆け降り果物屋の屋台に突進などのお約束もオッケーで、これはもうカースタントというよりはカーカンフーアクション。車もジャッキー映画をやってる(褒め過ぎか?)。
ジャッキー映画のよさって、どんなとんでもないシチュエーションでも作中では基本的に人が死なないところだと思う。ウソ臭い? それ違う。リアルを追及するのではなく、ファンタジーを作り出そうとする姿勢(それも体を張って)は、殺伐とした昨今、実に貴重だと思う。