(監督:パク・キヒョン)
そして伝説は続く。
“学校の怪談もの”である。が、いわゆる七不思議的なものではなく、もっと直球でちょっと古いタッチのオーソドックスな幽霊譚だった。ストーリーも演出も音楽の使い方も、なにもかもが古典的な印象。もちろんだからといって退屈というわけではない。定番とはそれがいつでも通用するものだからこそ定番足り得るのだ。
先生が殺された。
それを契機として不吉なムードが校内に広がりはじめる。ただでさえ受験を控え、緊迫している時期である。先生も生徒も誰もがピリピリと帯電したような空気の漂う学園生活になっていく。先生と生徒、生徒同士、様々な人間関係があり、そしてなかなかスーパーナチュラルな事件は起きない。
犯人は誰なのか? 人なのか、あるいは幽霊か。ここがいい。ここで描かれる恐怖は常に誰かに狙われている緊張感、アッパーな狂気感ではなく、高校3年特有のそこはかとない不安定感だ。それは大人でも子供でもないある特定の時期をすごす誰もが感じるものでもある。だからこそ共感するのだ。
そしてクライマックス、再び死が学園を襲い、すべての謎は解明される。ここにおいて、結局、幽霊はその姿を見せることになるのだが、その理由も演出もモロな情念というか哀切というか、情に訴えるもので日本人には馴染みやすくわかりやすい。これまた共感できる要素である。
ともあれ実にストレートな怪談であり、安定して楽しむことができた(あまり怖くないのはオレがすれてるせいですか(涙))。