(監督:佐々木浩久/凌辱:美輪ひとみ)
しあわせはどこにある どこにもないの
あのひとはどこにいる どこにもいない
どうしてくれよう。類い稀なる大バカである(褒め言葉)。快楽原則のみに従って作られた、意味はないけどなんでもあり、腰が抜けること必至の超バカ映画。いやはや愉快痛快。
エログロナンセンス満載なアクションホラーである。まるで大学の映画サークルが作ったようなノリの話だ。ただし金(泡銭?)と頭(煩悩?)はきちんと使っていて、とりあえず客が観ることを前提とした娯楽に仕上がっている。ま、すきずきという問題はあると思いますけれど。
観客の皆さん(自分も含めて)は、はじめはホラーだと思っていて身構えていたみたいだが、胡散臭い霊媒士が登場し、「霊的逆探知!」なんてあたりからこれがクソバカ映画(褒め言葉ですよ)であることがわかりはじめた。場内から笑いが漏れ始めた瞬間である。
その後、「奥さん、ずっと空き家なんだろう?」とか「身体は正直だよな」とか、もう狙いまくった陳腐な台詞に爆笑。突然出現するFBIや花畑の中でのミュージカルシーンに大爆笑。もう場内大爆笑のうず。クライマックスの妙に気合いの入ったカンフーアクションシーンももはや笑いのためのギミックでしかない。
やりすぎである。のりすぎである。確信犯的バカ映画は過剰であればあるほど、いけてるのでそれでいいのだ。
オチはあまりにも唐突で「なんだ、結局、話が収拾がつかなくなっちゃったときの常套手段じゃねーか」と思いはしたが、だけど、いーや。楽しめたから。いやホント、いろいろとアラのある(つーかアラだらけの)ドグサレバカ映画だったッス(だから本当に褒めてるんだってば)。