(監督:ジョン・マクティアナン)
チャチャチャ・チャ〜チャ〜チャ・チャ〜ラララ〜。
思っていたより数段おもしろかった。正直いって全然期待していなかっただけに、よけい嬉しい。
職人マクティアナンの、ケレン味や華麗さとは無縁ながら、重厚かつ無骨な演出がずばりはまってムッと匂い立つような男の物語に仕上がっている。いいぞ、いい。
アラブから体よく追い出された詩人が、いかにして男として再生したかという成長の物語である。北欧の野蛮で粗野で単純ないい男である戦士たちの戦いに、いささか強引に巻き込まれ、そしていかに戦い終えたかというただそれだけの物語である。
そこにはへんな駆け引きや陰険な人間関係などない。へんな恋愛模様などもない。多くは盛り込まない。あくまでも男たちの戦いだけを極太に描く。それが純粋な感動につながっていくのだ。