(監督:ジョイス・シャルマン・ブニュエル)
愛、愛、…
オ・サルサ〜ン・ダヨ〜
ラテンのリズムにのってお贈りする青春ラブストーリーである。若いふたりの一直線の恋模様に、老いてなお熱いふたりの恋物語が絡みつつ、ラストはいかにしてふたりの恋は成就したかという王道。それ以上でもそれ以下でもない。そしてそれに対してあれこれいうべきものではない。頭を空っぽにして楽しめばいいのだ。
ダンス映画だけれど見どころダンスではなくサルサミュージック。もう最高。そもそも主人公が天才ピアニストという設定なのだから、ダンスよりも音楽の方にセンスのあってもしかたなし。それにキューバの老練なバンドメンバーたちが絡めばもう熱いソンが溢れて当然。
まあ、さらっとした話なので軽い気分で見るというのが正しい見方であろう。しかしながら、パリにおける移民の問題というのも作品の根底にはあって「悲しいからこそ笑うのだ」という科白にはズシンとくる。現実社会での、そこらへんの事情はよくわからないのでなんともいえないが、フランスというお国柄からいえばかなり排他的なのかしら(偏見かしら?)というような気がするし、そういう目で見るとかなり考えさせられる。
やっぱ、男っぽいほうがモテルのかね、何処の国でも。文系キャラのオレとしては内心忸怩たるものあり。