(監督:ドミニク・セナ)
車を盗みながらするSEX… できるかっ!
兄弟愛と仲間同士の深い友情(愛情も)を主軸に、過不足ない展開と若干(かなり?)予定調和なれど、そこそこハッピーなラストに特に不満はない。ないのだけれど、特にこれがという強いインパクトのある話でもないのである。
自動車泥棒の華麗なるテクニックが満載というわけでもなく、スリリングなカーアクションを堪能というほどでもなく、切れ味のよい映像に幻惑ということでもない。とりあえずお気楽な気分で(内容がお気楽というわけではない)楽しむ以上の求心力がないということが弱点といえば弱点だろう。
50台の車を一晩で盗み出すというシチュエーション、しかもレアな車(ということはそれなりの伝説や逸話が付きまとっているということだ)も多いのだから、それぞれの車を絡めてのエピソードを描くこともできただろう。また、車そのものを見せること終始したとしてもそれはそれで車好きにはたまらない映画になったかもしれない。が、そういうもんでもないところが、どうにも煮えきらないところであった。
ヒロインの“オ〜”アンジェリーナ・ジョリーにグッとくるいつもの悪い癖。今回改めて自己認識したんだけど、小振りで厚めの唇に、今は弱いみたい。