(監督:堤“隠さず?”幸彦)
ボクは弱虫なんかじゃな〜い!
愛すべきバカ映画がまたひとつ誕生した。
それなりにちゃんとしたピカレスクドラマをベースにしているにもかかわらず、素直に演出なんかしてやるもんかという監督の強い意志(狂気?)の結果、その内容は悪ノリ羽目ハズシ大暴走。もー、堤節ここに炸裂って感じ〜。
そのバカ演出はますます増殖の限りをつくし、ヘンに凝ったカット割りやらカメラワークはまだ可愛いほうで、ストーリーに全然関係ないキャラや無意味なエピソードの嵐。オフビートな感覚にオレの魂揺さぶられまくり。サイコーです。サイコーですよ! 堤サン。
役者陣もそのバカが伝染したのか確信犯的に呼応協力し悪ノリしまくり。いや、違うな、もともとそういう役者ばっかりかき集めてきたに違いない。
もちろんただバカなだけなら一笑に付してオシマイなんですけれどね。いっけん、浮ついているように見えてもそこは絶妙な匙加減ってゆーんですか(?)、ストーリー自体は破綻することなくきっちりと描き切っている。だから、“話”としてのケリもきちんとつけられており、だからちゃんとカタルシスもあって、見終わって消化不良が残るようなことはなかった。どんなに悪ノリ演出であっても、それはデコレーションの部分で、話として一本筋が通っているころが、映画としてはいかに大事であるかということがわかっているってことなんでしょうね。
とりあえず深く語るようなタイプの話ではない。好き嫌いもはっきりでるとも思う。でもツボにはまったら怖い。てなわけで、まんまと罠にかかったヒトにとっては何度も繰り返して観たくなる。そういうタイプの話である。