CHART-DATE : (2001/04)
作品
The Legend of Average Guy.
… ニッポン無責任時代

(監督:古沢憲吾)


お話

 さー、いっちょ、ブァ〜っといきましょう!


お話

 TVやビデオなどではすでに何回か観ているわけだが、劇場できちんと観るのははじめて。だから、まあ話の展開がわかっている上での楽しみであり、それはある意味で古典芸能を観る楽しみに近いのかも知れない。もちろん『無責任シリーズ』自体が古典であるわけだから、当然といえば当然か。

 今回あらためて思ったのは、音楽とギャグが散りばめられたラブ&ピースでハッピーなコメディという点において基本的に60年代ハリウッドコメディを踏襲しているのだなぁということ。そして都会派のオシャレコメディであるということか。
 今観れば確かにテンポも鈍いし、悪人レスで実に牧歌的、古臭いのは否めないわけだが、当時においては時代の先端をいくバリバリなサラリーマン社会を舞台にしているわけだし、そんな中をスィ〜ッといくカッコ好さを前面に描いている。

 しかし、無責任でC調でお気楽というわりには、結構いろいろと策を練り頑張ってるんだよね(努力ではない)。一歩間違えれば詐欺。ちゅーか、まんま詐欺師なんだけど、なんとなくすべてが丸く収まってしまえば、とりあえずまいっか的な気分が前提にあって、ゆえに登場人物みんな結構アバウト。それでも社長になっちゃうんだから、そしてそれがありうる社会であることが、現在のシステマティックな社会構造が失った活力であるとうな気がする。当時はアメリカンドリームならぬトーキョードリームみたいなものがまだあったんだなぁと思うと羨ましくもある。

 とりあえず観ていてモーレツに面白いというわけではないのだけれど、そこに厳然として存在する情景はオレにとっての理想でもあり、だからこそいつ観て飽きることがないというわけだ。


お話
  1.  古い映画の楽しみといえば当時の風俗を観る楽しみである。昭和30年代の銀座や新橋の風景は、意外やポップでモダンであることが実に楽しい。そして今はなき旧横浜プリンスからみえる風景なんかは観るたびに「へぇ〜」と思う。
  2.  クライマックスの結末は意外とあっさりと、というか一番の問題点であるはずの父親の説得が完全に端折られていることで実はカタルシスをスポイルしているかも。
  3.  黒田は社長を解雇されたあと、どうなったのかが謎のまま。てのも気になる放りっぱなしのエピソード。
  4.  いま明かされる衝撃の事実。オレのモードのお手本だったんですよ。タイラヒトシって。あ、別に驚かない。こりゃまたシツレイしました。

お話
★★★★

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