(監督:ジョー・シャーバニック)
キュッ
サイコサスペンスだから大外しはないのである。そこそこ面白かったが観終わってしまえば内容はどんどん忘れていってしまう。プログラムピクチャということなんだろうねぇ。
話自体はありがちではあるが、適度にまとまっていて破綻もなくそこそこに楽しむことができた。
とはいうものの、鼻白むところもないわけではない。
被害者を泳がしているというのは、犯人からすれば被害者を犯行時刻まで拉致しないというルールで動いているのだから、ちょっと違和感はあってもアリだ。しかし、被予告者が公開捜査になって、しかも普通に繁華街で仕事(しかも接客業)しているのに、誰もそれに気づかないというのは少々いただけないと思った。シカゴという街がそうなのか、話の都合上、強引にそういう設定になってしまっているのかはわからないが。
そこに都会の孤独、都会の冷酷性を描いているのかもしれないけれど、しかしそれにしてもあまりにも気づかなさ過ぎてかなりウソくさい。
さらにあそこまで接近しておいてあっさり包囲から外れてしまうなんざ、警察無能過ぎという印象は否めない。
犯行の動機については最後まで明確にされない。その必要がないのだろう。
「いまシカゴにいる連続殺人犯は十何人…」という台詞がある。つまりシリアルキラーはもはや特筆すべき犯罪ではなくなっているということなのだろう。そこにアメリカの暗部、膿を見出してイヤな感じだった。
そして、もちろん日本も他人事じゃなくなっている…
キアヌリーブスがなんかのって演じている。別にいいんだけど、なんかやけに老けたなあという印象を持ちました。