CHART-DATE : (2001/05)
作品
赤色惑星脱出!
… レッドプラネット

(監督:アントリー・ホフマン)


お話

 遠い星での呪術的逃走論。


お話

 もっと火星の謎(しかも異性文明とか地球外生命体とか宇宙の大いなる意志とか、そういった安直なパルプSF的な敵/障害が出てくるヤツ)に迫る、ミステリータッチの宇宙活劇かと思いきや、もっとストレートな一難去ってまた一難的サバイバル映画であった。トラブルはあくまで自然現象(あるいは人災)で、それから派生した様々な問題をクリアして、そして生還するという感じ。
 話のきっかけとなる「火星では地球から送り込んだ酸素生成ミッションは原因不明の失敗。しかも現地についてみればなぜか酸素はできていた」というような状況は、それを中核に据えて「火星の隠された謎に迫る」的な展開もできただろうし、そのほうが王道だろうと思う。しかしこの映画ではそれはあくまでも脇役で、話はあくまでも『火星に行ったクルーはいかにして帰還したか』ということに焦点を絞っている。そういう意味では、目新しいともいえるのだが、それにしてもちょっと勿体ない。
 しかもそれで話が面白いならいいのだけれど、これがトラブルが「ひとつクリアしたらはい次がきましたよ」という単純な構成で、深みもなにもあったもんじゃない。ひとつのトラブルで一人死亡というこれもなんだかなぁ的ストーリー構成だし、なにしろ、起こる事件もありがち。舞台が火星であることの意味も感じられない。

 映像的にも「これぞ!」という目新しさはなく、現在の標準的な映像レベルはクリアしてるとは思うのだが、しかしこちらの想像力を越えた目を見張る新鮮なイマジネーションへの驚きには達してはいない。この手の宇宙もの映画の映像表現の引き出しはかなり少なくなっているのかなぁと思うのであった。


お話
  1.  長期間の閉鎖空間でのミッション実施にあたり、クルー中に女性が一人だけというのは、なんとも、いろんな意味で問題があると思うのだが。どんなもんでしょう?
  2.  バル・キルマーはやっぱり超のつく程の大根役者。表情がひとつしかないの。しかもバカっぽいし。

お話
★★ ☆☆☆

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