(監督:レニー・ハーリン)
チキチキ…
単純明快一直線。複雑なプロットや小細工などは一切なし。ひたすら力押しで勝負する。いい意味でも悪い意味でもね。
『レニー・ハーリンは作風大味』というのが世間一般での評価なわけで、それはまったくもって間違っていないのだが、この脚本では誰が撮っても大味な感じにならざるを得ないだろうと思うし、またそれはあえてそうしているようにも思える。
ということはレニハリは大味になることがわかってこの脚本を選んだということができる。いや、自分の作風がわかっているからそういうタイプの映画を常に選んでいるのだろうな。
感想の感想
作品としてはけして悪くない。そこそこにアクションに手に汗握り、登場人物の運命に一喜一憂する。単純だけど。
ようするにスポ魂映画である。それもかなりパターナイズされたそれで非常に分かりやすい。ライバルとの友情、敵対、成長、などなど、実にステレオタイプ。でも、だからこそハッタリ系力技演出が不可分であったわけだ。
舞台がモータースポーツというのは、そこそこにあまりみない(ないわけではないのね)ネタだし、なによりもスピード感があってよろしいじゃない。クラッシュシーンなども派手派手だし。
で、そんな危険な事故にもかかわらず人があまり死なないというのもよろしい。人死にで話を盛り上げるのは嫌いだからね。もっともあるいはモータースポーツ業界からなにかあったのかもしれないな。
新鮮な驚きなどとは一切無縁の定食的内容なれど不味くはない。映像的にも話的にも、とりあえずスカッとしておきたい向きにはいいかもしれないと思った。