(監督:佐々木浩久)
アブダクトでバイオインプラント。うーん、エロチック。
バカだねぇ。相変わらず。なんかヘンなもんやってんじゃないのか? と思うくらいのサイケ感(見た目のことではなく、お話的な部分で)。でも、バカが少々上滑りしている感じがあって、あまり素直にそのバカ世界に没頭することができなかった。
妄想と幻想の敷居低く、話が勝手に進んでいってしまうオーバードライブ感(しかも下品)はあって、いったいどこにつれていかれてしまうのかわからない遊園地のライド系お化け屋敷的な面白さはあるのだけど、その分、話の整合性が犠牲になってしまっている。
こういう飛び道具的な話はそこらへんのバランスのとりかたを間違えると一気にダメダメになってしまうんだよね。まあ、そんなにヒドイ結果になっちゃってるわけでもないんだけど、芯になるストーリーは、もう少し明確にしてほしかった。
「果たしてアブダクトはあったのか?」とか、「それはいつ行われたのか?」とか、「宇宙人は誰なのか?」とか、根本的な部分でのエスクキューズが曖昧で、消化不良な感じが残るのだった。説明ナシがいけないというわけでもないのだが、それならそれで一気に最後まで突っ走るぜ!てなくらいの勢いで押し切っていただかないと、観る側は冷めちゃうわけっすよ。
だから、基本的にオフビートな感覚で、スピード感というよりは縦横無尽なカットバック(ちゅーかぶっちゃけデタラメな展開(けなしてる訳じゃない))での幻惑感を重視している以上、ある程度のわかりやすさというのはあってもよかったと思う次第である。
とはいうものの、目くじらたてて「キッチリしろ!」というような話じゃないですからね。どーでもいいじゃんって感じ(いい意味で)。