CHART-DATE : (2002/02)
作品
コスメマスター
… 化粧師

(監督:田中光敏)


お話

 ある意味ジゴロ的なモテ男の物語。


お話

 脚本に力がないのが最大の欠点である。話や人間像、時代背景を安直かつ表面的にしか捉えていないため、ステレオタイプのストーリーに堕してしまい、どうしても上滑りの印象が拭えない。また、すべてを科白で説明しようとしているのもダメ。もっと演技で示すようにしないと、登場人物の気持ちも真実味がなくなってしまうと思うのだが。
 役者陣(特に管野と椎名は絶品)の演技力でカバーされているおかげで、映画としては、そこそこ観られるように仕上がってはいるが、しかし、役者の技量に頼った映画づくりはやっちゃいかんでしょう。
 役者をみる、というのは映画の楽しみの一つではあるが、それはあくまでも付録的なもので、主目的ではない。だったら、イメージプロモーションムービーとなんら変わりないからだ。本来、映画を観たいというのは、もっと別のドグマによっているわけで、そこらへんのバランスが崩れると、やはり観る側としてはつらいものがある。

 演出面もちょっといただけない。本来、市井の人々のささやかな物語であるはずなのに、感動巨編的演出をするから、観ていても感情を無理無理に押しつけられているようで、かえって白けてしまう。ま、化粧するシーンのエロティシズムや、ラストの幽玄な美しさなど、映像的な見どころもあるが、これもちょっと量が足りなかった。


お話

 とはいうものの、管野の役にかなり感情移入しちゃってたりするオレ。だからそういう観かたはしたくないんだっていってるのにぃ。


お話
★★★ ☆☆

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