(監督:塩田 明彦)
墜ちていく・墜ちていけ・墜ちて
少女がどんどん堕ちていく。そういう話なのである。だから観ていて辛い。ちょっとした歯車のかみ合わせが悪いだけなのに、どんどん悪い方向に転んでいってしまう焦燥感。コミュニケーションの不足、あるいは、不器用故のそれは、痛々しさを描きつつ、最終的には一番望ましくない結末へとたどり着いてしまう。そういう映画は過去にないわけではないが、というかひとつのドラマのジャンルとしてあると思うのだが、なにしろその対象が小学生(いや本当は中学生なんだけど、感覚的に)であるというのには、かなり観る側の身を削るものがあるな。
でもそういうみかたは、結局のところオレ視点であって、主人公やその他の登場人物に感情移入しているということでもない、というのも確か。もしそういうみかたでいくと、あるいは決意を持った主人公の自覚と自立の物語といえなくもないからである。
そういう意味でも人って勝手だなと思わずにはいられない。