CHART-DATE : (2002/04)
作品
死を想う
… メメント

(監督:クリストファー・ノーラン)


お話

 ここはパラダイス。


お話

 正直、複雑な印象で、アイディアとしては実にすごいなとは思う。映画としての。しかし、それを観る側としてはかなり神経を集中させないと、話についていけなくなるというカットバック。(オレだけ?)。
 実際、途中で、前後の(正しくは後前か?)のつながりがよくわかんなくなったりして、連続した時間の中をもってはじめて記憶が定着していくという人間の構造の事実を思い知らされた。(ちなみにあまりにも話がゴチャゴチャになったので2回観ました)
 そういう意味でこの物語は、話としての記憶障害の男の挑戦というだけではなく、観客の記憶への挑戦という、仕掛けとしてのメタ的な設定を画策されているといえるであろう。

 もっとも話自体は、時系列にしてしまうとけっこう普通の苦いサスペンスなんだけどね。まあ、男の哀しみは伝わってはくるけど。


お話
  1.  記憶を亡くさないように身体に墨を入れていくという自傷的なアイディアはちょっと揺さぶられましたね。
  2.  後になって発売されたDVDのオプションメニューに時系列に直すというのがあって、なるほどと感心するところしきりであった。
  3.  短期記憶障害ってどういうものなのか、実はよくわからないのであった。概念としてはわかるのだが、記憶保存時間をすぎた順にどんどん消えていくということなんだろうか。例えば「あ・さ・ご・は・ん・の・こ・ん・だ・て」が「さ・ご・は・ん・の・こ・ん・だ・て」、「ご・は・ん・の・こ・ん・だ・て」、「は・ん・の・こ・ん・だ・て」となっていく感じ? そうじゃないよねぇ。それとも、はっと気づくと覚えていないという感じなのだろうか。人ってけっこう記憶を思い返しながら生活しているわけじゃないからね。最近物忘れが増えてきているので、これにはちょっとリアリティがあるんだよね。

お話
★★★★

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