(監督:デビッド・フィンチャー)
攻守ところを変えましては・・・
つまらなくはない。しかし平凡。なんだろう、閉じ込められた恐怖や危機感、そんな中でいかに相手を騙し、出し抜いていくかの頭脳戦。トリッキーでサスペンスフルなストーリーとクールでシャープな映像演出があいまって最後まで緊張の糸が途切れない。となるはずであったのだ。本当は。
しかし、実際にはなんかいまひとつ腰砕けな感じが残るのみであったのだった。
期待していた知能と知能のぶつかり合いがないせいってのは、理由のひとつだろう。強盗達が予想以上にオバカでノープランな奴らで、なんかちょろい印象が最後まで消えなかったのがいけない。
でもって、主人公達も閉じ込められた、といっても意外と簡単に立場の切り替わりがあったりして、なんかイメージとして緊迫感がない。ストーリー上ではもうのっぴきならない危機的状況なのにも関わらずそういういう受け取られかたをされてしまっては台無しなのではないか。
フィンチャーのクールな映像美は健在だったので、脚本が甘かったのかなぁ。うーん、全体としてはけして悪くない作品なのに、褒めるすきがないってところで損をしていると思う次第である。
オープニングのタイトルの出しかたで、摩天楼に浮遊するロゴってのは、かなり「おぉっ!」と思いました。