CHART-DATE : (2003/01)
作品
幽霊船
… ゴーストシップ

(監督:スティーブ・ベック)


お話

 ごーっくり、ごっくりこんと。


お話

 面白いわけでもつまらないわけでも。

 ルーティンワーク的ストーリー展開に「だから?」的印象は否めないでしょ。“どのパッチワークをはめるのか”を読まれたり“そういう展開を選択するのね”みたいに客観的に観られちゃっちゃ映画としては失敗だよね。
 エグい映像描写は好みじゃないが、だからといって、あの程度ではショッキングでもなく「なんか普通だよなぁ」みたいな感想しかでないようでは。それは結局、スプラッタというジャンル自体の限界を感じてしまうやね。

 日本とアメリカのホラー感の違いというのは確かにあると思うのだ。正直、血糊の量が、イコールホラーみたいな考えは絶対あると思うのね、あちらさんには。血糊じゃなくても飛び出し系脅かしや肉体的な痛みの恐怖、イコールホラーみたいな。
 ところが日本は(ちゅーか、オレは、かもしれんが)ノットイコールホラーなわけですよ。もっとシチュエーション、因果関係なんかを重視するんじゃないでしょうか。でビジュアルはそれについてくるような感じ。だから、即物的なエグみは“違う”のだ。例えば、幽霊少女については、もっと活かすことができると思うのだが、そうはしないってとこに、あきらかな違いを感じる。

 もうひとつは宗教観。基本的に善対悪の図式があって、悪いのは全部、悪魔の仕業、みたいな短絡的な思想があるでしょ。グレイゾーンがないというか、ある面ではよいが、見かたを変えると悪いみたいな、多層的な感覚というのはない。結局、単純なんだよね、発想が。そんなに自分が正しいと云い切れるのか? と観てる側が醒めてしまうくらい。自分の善がすべて、勝てば官軍的(違うか?)な無神経さってのがある。それが話の薄っぺらさにつながっているような気がしてならない。

 でも、そういうことを考えながら、ホラーを観るってのは実はあまり建設的じゃあないなぁ。


お話
★★ ☆☆☆

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