(監督:リ−・タマホリ)
色男、金と力は...... んなわきゃなぇ!
やっぱりそうか、お子さま向けか。
ほら、モロ出しないし、人死にも穏やかな表現だし。誰が観ても大丈夫なつくり。お子さま向け、というよりも、世間の風潮がそういうことになっているのかしらねぇ。いや、モロ観せしろっていってるわけじゃないんだけどね。そこまで迎合するならむしろそういうシーンなんかなくていいんじゃないのかなぁ、と思ったものでね。
さて、この映画。問題はそこではなくてお話のほうにある。非常にある! なにしろご都合主義すぎなのだ。アラが多いというか、ずさんというか。あ、同じ意味か。 例えば、1年ちょっとで、人工衛星を建造できるってのがまず不思議。しかもそれが兵器だってことに誰も気づかないのもヘンでしょ。他にもいろいろ細かいつじつまの合わないところは多く、そういう押さえるべき基本的根本的なところが雑なもので、こちらもなんか醒めちゃったのだ。007って基本的にイベントムービーじゃないですか。つまりいかにノレるかが、映画を楽しむ上で一番のキーポイントで、それに失敗してしまったせいで最後まで、なんか他人事みたいな観かたになってしまった。
まあ、アクションシーンは悪くはないし、007といえばコレの秘密兵器の面白さも、満足できるものではあったし、つまり、なにも考えずにただイェーっと楽しむためのプログラムピクチャとしては、平均以上だとは思うのだが、でもそれもノレなければなんの意味もないもの。
こっちの要求が厳しいとかいうのでもないと思うんだけどねぇ。