（監督：ジョン・アミエル）

　そこでなにがあったかは、かくかくしかじか・・・・　駄洒落かよ！

　単なるパチもん終末回避ハリウッド式スペクタクルＳＦ超大作（笑）かと思ったら、意外や意外、面白かったのである。まあ、ハリウッド的なのは仕方がないとしても、実に冷静でクイックなのだ。お涙頂戴形式にヘンにベタベタさせていないのだ。「自分の生命と引き換えに人類を救うんだ！」的発想は、ないわけではないが、ギリギリセーフと思わせるのは、人類のためでもあるが、もっと「家族のため」や「自分のため」という至近で、だからそこ空々しくないエクスキューズを持ってきている。ここらへんが観客をひかせない上手さだなぁと思った。
　そのクールさや冷静さというのは登場人物が皆、学者や技術者といった理系であるせいなのかもしれない。つまり、真理の探究という、偽善的ではないモティベーションがリアリティとなっているのだと思う。例としてはあまり妥当ではないかも知れないが、地中へ潜る手段としての新技術を見せつけるシーンなどは、そのアイディア自体にワクワクさせられたしね。あ、つまりこれはセンスオブワンダーそのものではないか。つまり、これはＳＦ魂が内包されてる、ということなのか。

　という部分を演繹することでわかるが、絵づくりも畢竟、未知への冒険的印象が前面に出てくる。静寂な水晶宮やコアの灼熱など、人類レスキュー的な映像ではなく、見たこともない世界それ自体を描きたいという気持ちが感じられる。（本当はそんなわけでもないのかもしれないが、オレはそう受け取ったしそれはそれでいいんだと思う）
　正直、嘘くささは、とってもたくさんあるのだが、それをそうかなと思わせるだけの説得性は、このジュールベルヌ的な部分が醸し出していると、オレはそう思うね。

　それにしてもストーリーそのものは実に単純かつ類型的で、先が読めてしまう（次はこいつが死ぬ番ってところも含めて）ってのは、あまりにもね。パッチワークムービーだから仕方がないんだけど、もう少し、新機軸なアイディアを投入していただきたかったなぁ。

　まったく関係ないんだけど、この映画のタイトルを聞いていの一番に頭に浮かんだのが「ルパ〜ン３世」なのだった。ね！　わかるっしょ！？