CHART-DATE : (2002/06)
作品
恐怖のインターネット
… フィアー・ドット・コム

(監督:ウィリアム・マローン)


お話

お話

 「見ると48時間後に死ぬ」というキャッチーなネタの「新感覚ホラー」という宣伝文句には大いに偽りあり。ホラーというよりサスペンスミステリーでしょう、ジャンルとしては。
 不可解な連続殺人事件とネットをめぐる物語。  死者がネット上に念を残し、それが新たな死者を招くというギミックは、ホラー、超自然現象の基本的ありようだとは思うのだが、映画としての焦点は超常現象がどうこうということではなく、あくまでも連続殺人事件の犯人は誰(正確には誘拐犯)? という部分におかれている。幽霊、死者については、あくまでもサスペンスやミステリーのためのギミック。そういう視点でこの映画を捉えると、ストーリーは思いの外、平凡であり、とりたてて新鮮味があるわけでもないのだ。よくあるサイコサスペンスのバリエーションでしかない。

 どんでん返しとしては、ラストで主人公が死んでしまうこと。この手の映画の展開としては、普通は生き延びてハッピーエンドってくるのに。これはちょっと驚いた。いや、驚いたというよりは、無理矢理かなぁ、といった方が強いか。パターンに陥ることを回避するために不必要にひどい結果を用意して逆にすべってしまった感じだ。そこまで悲惨な話に持っていく必然が果たしてこのサスペンス作品において置いてはあったのだろうか。そこにあまり意味がないように思う。まあ、好意的に見れは、これはラストの「死者は死んでしまうのではなく...」というところにつながるのだろうが、オレ的には、なんか感動の強要も感じされてイヤな感じだけが残った。

 全体としてだが、死者の念がネット上に残るとか、因果とか、そういう感覚って、東洋の死生観、宗教観としては、今更云われるまでもなく昔からある感覚で、そういう点でも、日本人としては「だからどうなのさ」という感想を持ってしまうのはいたしかたのないことなのかもしれない。

 映像的に押さえ気味な演出であるのは好感がもてるところではあなるが、話もアレで全体的に地味感だけが浮き出てしまうと、控えめなのも痛し痒しだなぁといったところである。


お話

 途中で出てきて、あっさり死んじゃったメガネっ娘の検死官がいいよね。いいよねっていうのもなんだけど。


お話
★★★ ☆☆

ページトップにもどる