CHART-DATE : (2003/08)
作品
藍色大門
… 藍色夏恋

(脚本/監督:イー・ツーイェン)


お話

 思春期の成長痛。くぅ〜。


お話

 自意識過剰な少年少女の恋模様の物語である。メインストーリーとして描かれるのは“同性への愛”ではあるが、それは肉体への欲望を伴う生々しいものではなく、もっと精神的・観念的な、あの年代ならではの憧憬や同化によるものである。
 すべてが若さ故の悩みなのだなぁ。それぞれが日々生きていく中で悩み、そして少しずつ成長していくさまは、誰もが通過してきた道であるが故に、恥ずかしく、痛々しく、そして初々しいのだ。

 『少年と少女』というよりも『男の子と女の子』といったほうがふさわしい、純粋な感覚。日本ではすでにスレて廃れてしまった純粋さが、まだここにはあるのだった。もしかしたらそれは台湾においても、すでに失われているのかも知れないが、少なくともこの映画の中では瑞々しく息づいているのだ。それは異国の地だからこそ誤解できる(?)のかもしれないが。もし、これが日本を舞台としていたら、果たしてリアリティを感じ得ただろうか。もっとも、この物語が彼らのリアルであると思っているわけではなく、ひとつのファンタジーだということは承知の上で、そこに「もしかしたら」という希望を見いだしている。


お話
  1.  プール。海岸。夜の街。自転車。白いワイシャツの制服。校舎の落書。そのひとつひとつが懐かしさへのパスポートである。観客の感情を高めるための仕掛けと判っていても、それにまんまとのってしまったほうが心地よいのだ。
  2.  ショートヘア好きにはたまらない主人公モン。まあ恋敵のコのほうが可愛いんだけど、まあ役得ってことだね。お面をつけてのダンスシーンには、その心情を思いやるに泣けるものがある。
  3.  それにしても自意識過剰な主人公の感情のブレ加減はすごい。ふりまわされる男の子は頑張っているよね。青春だなぁ。
  4.  露天餃子が実に美味そうだった。でも男の子チャンは食べ過ぎです。

お話
★★★★

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