CHART-DATE : (2003/08)
作品
卵菜
… 茄子 アンダルシアの夏

(監督/脚本:高坂 希太郎)


お話

 ロードレーサーといえば、、、、、ミ!ミ!


お話

 正直、全然期待していなかった。ジブリ絵の醸し出す“人情・下町・泥臭さ”な印象が、この話にはあわないのでないかと思っていたからだ。すみませんでした。十分に面白かったです。

 話的には上述の不安のとおり、人情系の方向に振られていて、原作の持つ雰囲気である『血がつながっていてもベタつかない。でもそれは本当に分かり合っているからこそ』という心地よくさめた感覚がなくなっている。不要に優しさや思いやりが表層的に表現されすぎていて、なんか鼻白むことしきりなのだ。でも。まあそれは表現の違いであり、好みの差でもあり、そのくらいは多めにみてやろう。そう言わしめるだけの『良かった』があったというわけである。

 それは、なんといってもレースそのものである。アニメーションなのである。展開は原作マンガと同じでも、やはり絵が動くということがこれほどの高揚感をもたらすとは。チャリの動きやレースの駆け引きなどは、動画という表現によってはじめて直感/体感することができる。例えば、トップ集団が一人ひとり順位を入れ替えながら、力を温存するフォーメーションシステム。ドイツの選手達の一直線に攻める戦略。なるほど、ロードレースの勝負とはこういうものなのか、チームプレイとはこういう仕掛けをするものなのか、など、目から鱗が落ちまくる。これは、マンガでは読みとることは難しい段取りだし、実写では(あるいは実際のレース映像では)描くことのできないカメラワークだ。
 そういう絵のチカラだけで十分面白かったのだ。
 やっぱり動きのある話は動きのある表現が相応しいのだなぁ。もっとも、話自体が本当に駄作なら、そういう感想にまでは至らないわけで、小気味よくまとまった話だったのだなと思うところである。


お話
  1.  成功の一端は47分という時間のおかげもあるね。無駄な挿話がない(時間的につけられない)ので、コアな部分だけに感動することができる。
  2.  主題歌は、ちょっと違うんじゃあないでしょうか。興ざめ。
  3.  観終わった後、茄子のアサディジョ漬けを食べにいった。これが実に美味かった、本当に! そしてワインにドンピシャリ。確かに法律だわ。おかげで飲み過ぎた。失敗失敗。しかし、うーん、どこで買えるんだろうかぁ。自分で作るのはちょっとなぁ。
  4.  そして、ロードレーサーが欲しくなりましたとさ。いやマジで。でも買わないけど。

お話
★★★★

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