(監督:マルコム・D・リー)
ユー・ガット・ソウル!
いやぁ、まさに不意をつかれた(って自分から観に行っといてなんだけど)。03年イチオシ!? の超大バカ映画だね(とまでいうと持ち上げすぎかもしれないな)。
白人秘密組織VS黒人秘密組織というアブナイ差別ネタを、ひたすらバカバカしく直感的直接的なネタにする。底が浅いので罪も浅い、とは云わないが、まああまりにもクダラナイのでいちいち目くじら立てるような話じゃあないね。
クール(笑)なスパイアクションスラップスティックコメディ(長いな)なのである。ベタなスパイなので秘密兵器などもバンバン登場するのである。もちろん、どれも“使えねぇ”代物なのがクール。侵入ブーツやパラシュートベルボトム、いったい何を考えてんだよ。これも皆ブラザーソウルのなせる技なのか。業なのか?
バジェットが低いのは明らかなのだが、その低さを逆手にとって(開き直ってともいうが)、ひたすらに笑いをとることに命賭けてる感じが実にオレ好みさね。VFXだってあくまでもチープさを強調しているしさ。とにかく、ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たる的作戦で、どんなにすべっても平気。だから多少イタイところもあるが、それもまた狙いなのだ。
潔いなと思ったのはシモネタがないこと。ないわけではないが、ナイスバデな女スパイに骨抜き程度のソフトなレベルで、「オレタチの笑いは差別ネタでいくぜ、メ〜ン」って感じですよ。そういう意味では、キッズ向けプログラムなのか? とも思ったりしたが、だったら差別ネタはしないか。
そんなこんなで、ラストは人類皆ラブ&ピースでハッピー。こういう映画も必要だよね。