(監督:飯田 譲治)
天に昇りつめてしまうが如くの寝心地、力みなぎる使いよさ、それがドラゴンベッドだ!(ダジャレかよ)
雰囲気映画であることは多分にあって、バジェットの理由もあるのだろうけれど、少なくともディザスター映画、災害パニック映画ではない。おそらく作品自体、そういうハリウッドスタイルの映画に仕上げるつもりはなかったんだろうとも思う。映画の描きたかったテーマや情景は、災害ではなく、そういう状況におかれた人間の行動に主眼がおかれている(いや、ディザスター映画もそうなんだけど、災害を対象に立ち向かうってのと、災害の状況でどう振る舞うってのは、微妙に違うってことだ)。
という視点でみると、とりあえずいろいろとアラがないわけではないが、危機的状況で呆然となっている雰囲気が上手く描き出されていて、いいぞ、と思ったのである。脚本も演出も、災害自体を描かないのだから、自然に人間描写に重心が置かれ、かつ的確に表現していると思う。
VFXについて、それが主眼ではないと書いたが、だからといってダメ出しする程、悪いわけではない。確かに、災害それ自体をスペクタクルとして描くというハイバジェットあっての絵は、確かに端折られているが、厄災後の世界を描くという面では十分にきっちりできていると思う。セットやロケ含め、荒涼とした舞台を上手く表現しているし、だから作品としての深みはあるなぁと感じたのである。
見応えあった。
SAYAKAね。まあ悪くないね。パニックにあって自分でどうなっているのか収拾がつかない感じが出ていて、多分それは、まだ演技に対する不慣れな部分がそうみせているってことなんだけど、今後どうなっていくのか注目である。