(監督/脚本:古厩 智之)
0点! ウララァ〜
基本的に何かを成し遂げようとする青春映画は好きだし、しかもひねったネタの変化球だったりすると、これはもうグッときちゃうわけだけれども、観終わってみてば、なんとなく不完全燃焼。話自体はすごく好きなのだが、演出がよろしくない。いや、“演出”という細部のツメの甘さというよりも、全体的な“トーン”がオレ的に違うような気がした。
どうも地味な感じが全編に漂ってしまっている。ネタが地味なんじゃなくて描き方が地味なのだ。BGMだって極力使用せず、淡々とした仕上がりを目指しているのはわかったし、監督もあえて抑え目に作ったといっているので、これは意図的なわけだけれども、基本がスポコンなんだから、もっとベタにスポコン的フォーマットで盛り上げてほしいなぁ。例えば、主人公達(長澤×小栗)の淡い恋愛模様に絡めての気持ちの変化や成長とか、伊藤(チビノリダー)淳史のふんばりと成長とか、もっと熱く描いてもよかったと思うのだが。
そもそも青春映画なんて恥ずかしいことこそ信条だったりするんだから、多少は観客に対して押しつけになってもいい。そこに自分の昔を投影してホロリとしたいのだ。
でも、佳作。
長澤が軽トラの上で歌う鼻歌「夢先案内人」がとてつもなくいいね!