（監督：斎藤　郁宏）

　このばかちんがっ！

　アイドルのファンねらいの安直な話ではある。なんていうと随分な云い方っすね、すみません。でも。つくりが雑だし、焦点があってない。
　話のツボがいまいちわかっていないのだ。基本的に短編映画なわけだから、盛り込むべき話はきちんと整理して、この映画の主題は何々で、それを魅せるためのエピソードは何々を使う。という設計思想をしっかりとすべきなのに、それがなされていない。例えば、『オヤジと少女の友情』なのか『少女の成長と自立』なのか『青年との出会い』なのか。などなど。どれも中途半端にエピソードとして立ち上げられ、しかも特に練られることなく解決していたりして、もっとエピソード同士を絡ませながら最後まで引っぱるものはきっちりと引っぱって大団円的に盛り上げる。そんな感じでもっと丹念に描くことができれば、佳作になったろうに。残念。

　オレって基本的にアイドル映画って好きなんすよ。ポルノ映画と同じで、アイドルが出ていれば基本的に自由がきくため、だからけっこう冒険的な作品ができ得るジャンルだと思っているから。だからもうちょっとがんばってほしかったなぁと思うのであった。

　まあ、それでもごっちんととケメ子が出てりゃとりあえずオッケー的？　いやそこまでダメ人間じゃないっす。