(監督:澤井 信一郎)
昭和40年代の青春模様
正直、話としてはどえらく古くさいし、かつ、ステレオタイプでありがちな物語ではあるのだが(孤児だとか片親だとか、そういう所謂“不幸な境遇”ネタってば、一体何十年前の少女マンガだよ、って感じでしょ)、これが手堅い演出と、情緒的なシチュエーション表現で、意外やけっこう観られる作品にブラッシュアップされているのであった。びっくりである。
古くさ設定ではあるが、きっちり細部をつめていくことでそこそこにリアリティが保たれていたというのが、よかったのかもしれない。
ま、逆に考えてみると、こういうネタって、少女マンガ的にはどんなに時代が進んでもコアな部分では、いつまでたっても王道ってことなのかなぁ。それともオレが時代とアンマッチな部分を残しているのか。ま、いいんだけどね。